「栃木フットボールマガジン」鈴木康浩

【レビュー】栃木SC J3第19節Y.S.C.C.横浜戦 恵の雨降って快勝、上々のリスタート。

2017明治安田生命J3リーグ第19節

2017年8月19日18時キックオフ ニッパツ三ツ沢球技場
入場者数 1,264人(うち栃木サポーターはメインスタンドに約400人)
天候 曇一時雷雨のち雨、強
気温 23.7℃
湿度 90%
ピッチ 全面良芝、水たまり

Y.S.C.C.横浜 0-2 栃木SC
(前半0-0、後半0-2)
得点者:49分 ネイツ・ペチュニク(栃木)、79分 藤沼拓夢(栃木)

<スターティングメンバー>
◆栃木SC

GK 15 ジョニー レオーニ
DF 2 西澤 代志也
DF 4 広瀬 健太
DF 5 尾本 敬
DF 7 菅 和範
MF 21 牛之濵 拓
MF 11 岡﨑 建哉
MF 16 仙石 廉
MF 14 西谷 和希
FW 25 ネイツ ペチュニク
FW 13 上形 洋介
控え
GK 1 竹重 安希彦
DF 17 福岡 将太
MF 24 和田 達也
MF 38 宮崎 泰右
FW 8 廣瀬 浩二
FW 27 榊 翔太
FW 20 藤沼 拓夢
監督 横山 雄次

 

60分 牛之濱→藤沼
77分 岡崎→福岡
90分 ネイツ→榊

雨降って最高の流れが来た試合

 

前半の栃木は、右サイドの牛之濱拓と西澤代志也が起点となってチャンスを構築したが、何度かあったシュートチャンスを決め切れず。

逆にセカンドボールの出足に勝る相手の速い攻撃にさらされたが、「どっちに転ぶかわからない苦しい展開だったが最後は守れていたと思う」と牛之濱拓がいうように、最後はやらせていなかった。

 

そしてハーフタイム、豪雨とともに激しい雷が轟く。1時間5分の中断の後、試合は再開。

 

「後半をやるのかやらないのか、わからないなかで、試合が続行することを前提に(廣瀬)浩二さんを中心にベテランの選手たちがいい声掛けをしてくれていた。僕たちはすごく試合に入りやすかった」(上形洋介)

「中断が明ける前にみんなで共有したのは、シンプルにやること。ゴールを決めて勝って帰ろうと」(ネイツ)

 

ピッチのあちこちに水たまりができる悪コンディション。

ならば前へパワーをかけて、セカンドボールからチャンスを作る。

敵将の樋口靖洋監督が「後半は栃木さんのストロングが活かしやすいコンディションになってしまった」と語ったが、まさに、後半は個の力を押し出した完全なる栃木ペースになった。

 

前へ押し込む展開から、49分に得た仙石廉のCKから相手のハンドを誘い、ペナルティキックをゲット。これをネイツ・ペチュニクが栃木デビュー戦にしてデビュー弾となるペナルティキックをきっちりと決めた。

ネイツは前半から自分に当てる味方のボールを絶妙にフリックして味方に繋げるなど、本来は中盤の選手としてスロベニア代表まで上り詰めた選手だけあり、持てる巧さを見せていた。ただ、ゴール前での怖さやコンディションなどはまだまだという印象だったが、それでもきっちりと結果を残すあたりはさすがである。

 

60分には藤沼拓夢を前線に投入、トップの上形洋介を右サイドに置きながらも「3トップのイメージ」(横山雄次監督)をもたせ、前への圧力を高めた。

藤沼拓夢は持ち前の反応速度とスピード、ゴリゴリと前へボールを運べるパワーを随所に発揮、味方が背後へと狙うボールに何度も飛び出してチャンスを作りかけた。

 

75分には上形洋介の縦へのスルーパスを受けて相手GKと1対1になったが、これはファインセーブに遭ってゴールならず。映像を見てもらうとわかるが、背後へ抜け出すときの藤沼の反応が実に鋭い。

「1対0でリードの状況。このチームは2点差で勝ったことがなかったから決めたかった。あの場面は悔しかった」

天を仰ぐ藤沼拓夢。しかし、直後に獲得したCKで仲間たちが集まると、四方八方から藤沼に「拓夢! まだあるぞ!」と声が懸かる。その声で、消沈しかけた藤沼拓夢が顔をあげる。

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