[無料記事]AFCアジア・チャンピオンズリーグ・グループステージ第6節・浦項スティーラーズ戦[興梠慎三、柏木陽介、ブランコ・イリッチ][選手コメント]

○興梠慎三

 

Q  試合に入るまでは、どのようなことを考えていたか?

 

「上から観るのとピッチで、ベンチから観るのは違って、なかなかベンチからは見づらいんだけども、それでもなかなかスペースがないなという感じはありました。でも、前半は引いてくるチームが多いので、それは仕方がないかなと。疲れてきた時にどれだけスペースがあるか。その中で後半が始まって、自分が出た時はある程度スペースがあった。でもズラ(ズラタン)が。監督の意図としては自分が1トップでズラがシャドーだったんですけども、ズラの運動量がちょっと落ちていたので、ズラも真ん中にいる癖があるので、そこは自分がシャドーに入ってバランス良くプレーして、組み立てられればいいかなと。でも、決め切ることに関しては前で張っていたほうがチャンスがあると思う。でも、それまでの組み立てがあまり上手くいってなかったので、引いてもらうことが多かった。この結果は悔しいのもある。でも、個人的にはFCソウルは試合を観て良いチームだと思っていたので、こことやってみたいという思いもあった。まあ、負けるなら早いうちが良いし(笑)。どうせ上がっていく内に強いチームと戦うので、早くFCソウルと当たって、今のレッズなら必ず勝てると思うので、良い対戦相手とやれるなと思います」

 

Q  ジャッジを含めて、アジアを再認識した部分はありますか。

 

「今日の試合もそうですけども、ACLのレフェリーは独特だし、Jリーグのレフェリーともまた違う。『こんなの取るの?』とか、「取らないの?」とか、レフェリーによってゲームが変わるので気をつけなきゃいけない。でも、それは皆が分かっていることだと思うし、少なからず僕はACLに出る機会が多かったので、何回もレフェリーに苦しめられたことがあったので、なるべく気をつけたいなと思っていたんです。今日みたいなこともあり得るからね。だから皆も今日の試合だけに関わらず……、うーん、でも、あれはないよね。味方同士が当たってPKでしょ。ホント、難しい。そこでゲームが変わるから。どんなに頑張っても、あんなふうに変なところでPKを取られてしまう。気をつけないといけない」

 

Q  浦和に来てから、3回目で初めてのグループステージ突破、その要因は?

 

「今は皆がハードワークできて、取られたら取り返すのも速いし、変なところで取られない。今日はちょっとミスが多かったですけども、それが強い理由かなと。後ろでミスをすると前線6人くらい置き去りにされる。それがないから失点も少ない。それが上手く行っている。守備でも高い位置で取れてそこからのゴールもある。ただ、夏場になると、そのハードワークの部分が落ちるかもしれないけども、そこは戦い方、行くところは行く、行けないところは行けないのメリハリを付けないと後半に落ちてくる。そこはひとり一人声をかけて行かないといけない」

 

Q  リーグでできていることがACLでもできたということでしょうか。

 

「そうですね。あとは、球際でビビることなく、韓国、中国は激しいけども、そこで去年や一昨年は避けてしまうところがあったけども、それが少しづつなくなって、身体を張れるようになった。あとは俺らがちゃんとやれば、相手はあのパスワークについて行けないと思うし。個人的に、このタイトルは獲ったことがないから、獲りたいね。鹿島の時はラウンド16が壁で、決勝トーナメントには俺が居る時は必ず進んで、しかもグループステージも1位突破だったんだけど、一発目で負けて次がない状態だったんで。自分の中では16強が最高で、今回またチャンスがもらえたので、行きたいな、決勝まで」

 

Q  さっきは『負けるなら早めに』とも言っていたが。

 

「いやいや、負けたくないですよ。例えば次に勝っても次に負けたら一緒だと思うってこと。どうせ強い相手とは後々戦うのならば、それは早いほうがいいということ。それで勝てば乗れる部分もあるし。俺はFCソウルが本命かなと思っています。そこで勝ちたい。広州が敗れたんでね。でも広州にも俺らは勝ってるわけだから、FCソウルに勝つのも俺らだと思う」

 

Q  試合後に、相手選手と言い合いになっていましたが。

 

「いやいや、終わって、テーピングが落ちていたから、『お前ら、拾え』って言ったんです。2,3人が拾いに行ったけど、拾ったやつをキャプテンがまたバーッと投げたから、ふざけんなって。マナーが悪いよね」

 

○柏木陽介

 

Q

「個人的には、前半はそれなりだけど、後半はちょっとね。今日は自分がチームを引っ張らなきゃいけない、キャプテンだったし、それができなかったのが悔しい」

 

Q  攻撃は柏木選手から始まっているパターンが多かった。

 

「前半はね。相手も引いていたし。そこで個人的には皆を出し入れしたかったけども。俺以外はほぼ、梅ちゃん(梅崎司)はスタメンに入ることもあるけども、ほぼ俺が引っ張っていかなきゃいけない中で、もう少し声を掛けてできたらなというところはあったかな。自分の足りなさがまだまだあった」

 

Q  いつも通りのイメージで出したパスが合わなかった部分は?

 

「前半はそんなこともなかったけどね。後半にプレッシャーを掛けられた時に、メンバーが代わったところで怖がっていた部分があったかなと、全体的に。後半、俺がもう少し下がって3枚回しの形のほうが良かったのかなとか、それは試合の中で自分の判断が足りなかった。皆、久しぶりに出た人も良かったし、頑張っていたと思うけど、試合に出てないとコンビネーションがもちろん違ってくるところがある。それは仕方ないけど、何か流れを変えるプレーが必要だったってことと、球際でも戦っていかなきゃいけない。何かしらチームを鼓舞してやっているぞという部分を見せられたら良かった。後半は多少疲れもあって、上手く回しきれなくてミスも多くなったから、ここは、どれだけ疲れていても、その時は簡単にプレーしながら、ミスを減らしながら、よりチームの人を生かしていくことを心がけられたら。俺のところくらいしか起点がなかった点も相手は分かりやすかったのかもしれないけど、でも、もっとやらないといけない。悔しかった」

 

Q  1位突破はなりませんでした。

 

「そこに関してはそれほど意識していないけど、このチームで。出ていない選手を引っ張って試合に勝ちたかった気持ちが大きかったから、しかも相手も、正直この3チームの中で一番弱い相手だったし。チャンスがあった中で決め切れず、意味分からんPKがあったりとか、そういうところもあるんで。最初、時間を作れた時に点を取り切る力は足りなかったかな。切り替え早くもできていたけど、後半疲れた時のプレーの仕方もあったし、追い風のほうが攻めにくい感じもしていた。そこは自分で何とかしなきゃいけなかった。この状況で自分ができることもあった。自分の物足りなさを感じた」

 

Q  レフェリーの質の問題もあった。

 

「そのなかでもやらなきゃいけないし、それはまあ、どこも同じやと思う。日本だからあんなふうに吹いているわけではなくて。別に日本だって正直高いレベルのジャッジじゃないから。そこは関係ない。もっと自分のプレーを改めて、改めてというか、今日も連戦の中で疲れた気はしていないけど、もっと質を上げたい。大宮もあるんで、しっかり調整して、Jリーグでは安定して、チームとしてすごく良い、切り替えからのボール奪取も増えているから、そこを考えて、バランスを取りながら、皆で考えて、ひとりで何かをしようというのではなく、皆で強力し合いながら、戦っていきたい」

 

Q  グループステージを初めて突破できた要因と、FCソウルという相手については。

 

「突破できた理由なんかない。理由があったら、今までも勝ち上がっていた。単純にチームの力が上がったというところが大きくて、それ以外は何もない。全体のレベルが上がっている。それが突破の要因だと思う。強いチームと当たった方がいい。俺はグループリーグで当たった広州のほうが強いって思っているしFCソウルが最初で、俺は広州以上のチームはないと思っているんで、楽しんでやりたい」

 

○ブランコ・イリッチ

 

「相手がリトリートしている状態でいくつかチャンスを作ったんですけども、そこで決められればもう少し上手く試合を運べたんじゃないかなと思います。しっかり相手が引いた状態でも対応はできていたのですが」

 

Q   埼玉スタジアムでのデビューについては。

 

「個人的には非常に嬉しいです。5か月ぶりに公式戦に出られましたし、やっとチームメイトと初めてピッチに立つことが出来て、嬉しく思います。勝利できなかったことは少し悔しいですが、その悔しさをバネに変えたいです。悲しんでいる時間がないので、切り替えて、Jリーグも始まるので、我々らしいサッカーをしたいです」

 

Q  公式戦に出場したことで、ステップアップできたのでは。

 

「仰るとおり、ステップアップに繋がると思うし、ケガをして数ヶ月は治療に専念しましたが、公式戦に出られたことを嬉しく感じます。仲間と共にJリーグ、ACLで自分が少しでも貢献できるように頑張ります」

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