【無料掲載】2016天皇杯4回戦・川崎フロンターレ戦[風間八宏][監督コメント]

○風間八宏監督(川崎)
今日はいくつかの目的がありました。もちろん試合に勝つことはそうなんですけども、ひとつは若い選手たちが自信を持って、自分の技術を強い相手に当ててくれるかなということで、むしろそこの経験が未来にもつながるんじゃないかということを考えて、彼らを無理いって使いました。すごくよくやってくれたと思います。

あとは、ソンリョンが長くやっていなかったので、できたら休ませてもいいんですけど、一度は試合をさせておきたいなということでソンリョンを使ったら、ソンリョンはPKも止めてくれましたし、ものすごくいい活躍をしてくれたと思います。

それから、若手も含めて、あの相手でも自分たちがボールをしっかり持てるということ、それから自分たちが奪わせないこと、ここもテーマにやりましたけど、そこもすごく自信を持ってやってくれたんじゃないかと思います。

これからだんだんメンバーも揃ってきて、ただ、今まで出ていた選手が今日のようなパフォーマンスをみんなが見せると、誰が出るかは分からないなと思います。そこのところはトレーニングをやりながら、切磋琢磨していってほしいなというゲームでした。

Q PK戦になって、阿部選手のキックがやり直しになってGKにイエローカードが出たが、2回目は同じように出ていたのにイエローカードが出なかった。レフェリングについては?

そこのところは、自分たちは横に動いたのしか見てないので、なんとも言えないです。レフェリーにも「落ち着いてやってくれと」ハーフタイムに言いました。お互いで作っていかないといけないと思うので。

ミスジャッジというのはあると思います。今日、勝ったから言うのではなく。でも、それに対して、みんなで向かっていかなきゃいけないと思います。いつも第4審判と、違うジャッジがあったときには話しますし、終わってからも話をしますけど、レフェリーもそこのところはまたみんなで基準を作ってやってくれるんじゃないかと思います。文句ばかり言ってもしょうがないので。難しいものだと思いますので。今日勝っても負けても、そこのところは仕方ないと思います。もちろん、イエローカードというのは極端に言うと、知りませんでした。そこはちょっと分かりませんでしたけど、そういうルールであればしょうがないと思っています。

Q 三好選手など若い選手が物怖じしていなかったが、それは監督の心理マネジメントなのか、選手の生まれついてのものだったのか?

正直、ユースから上がってきたときは、全くサッカーを知らないというか、なかなかいろいろなことが聞けなかったですけど、才能のある選手なので、そこのところは厳しく言っています。最初から言葉は通じません。我々は何回も、何回も言い続けることで、どこかで一回言葉が通じてきたら、それをどんどん実践させてやる、理解させてやるということです。本当に、無駄なミスが減りましたよね。そこのところの、技術を高めていくことと、自分の考え方を少し変更させてあげること。若い選手はみんなそうです。

ただ、若い選手なので、何年もかかりません。そこで特化できれば、そこはチームのコーチもやってくれていたことので、そこで変化してきたんじゃないかと思います。元から、どちらかと言うと、すぐ自信を持ち過ぎちゃうやつなので、その意味ではだいぶ変わって、すごくいい状態になったと思います。竜也もそうですし、みんなそうですよね。選手って、何かひとつできればだんだん自信がついてきて、それをやっていい、あるいはやればいいんだということにだんだん気づいていきます。今日の竜也もそうですけど、持っているものがあると思います。それから滉があんなになるとは思わなかったです。今日は足をつっているのに「前に上がっていいですか?」と言って上がっているので、その辺は若い選手のことはまだまだ僕には分からないなというくらい、楽しみです。

Q 最後のパワープレーは選手の判断か?

いや、僕が上げました。普段ないものが今日はあるので、そこの差はずっと分かっていました。あとは、ボールがしっかり持てていたので、ほとんど半分だったので、崩すのにそんなに難しくはないかなと思いました。

Q 今日は意地のぶつかり合い、ケンカしているような雰囲気で、あまり見たことないものだった。こういう雰囲気を醸し出せたことにはすごく大きな価値があると思うが? アントラーズに一発やられちゃうと見れないけど、あと2試合見たいと思うのでおねがいします。

後のことはわかりませんけど(笑)。ただ、実際、浦和レッズというチームも、ものすごく特別に個人が揃っている、それから自分たちの自信をすごく大きく持っているので、そういうところでああいうゲームがたくさんできるというのは、すごく大事なことだと思いますし、Jリーグでもああいう試合が見られるんだということを、もっともっと、みんなで突き詰めていかなきゃいけないんじゃないかと思います。

必ず海外がおもしろい訳でもないですし、海外から何かを学ぶというのは、いつも言っていますけど、もう必要ないんじゃないかと思います。我々独自のもの、もうここに来たらペトロヴィッチさんも外国人とは思っていないです。ひとりの監督の仲間だと思っていますし、他の外国人監督もそうです。自分たちが日本人選手が中心の中で、どんなサッカーを作って、どんなサッカーを見せられるのか。今日はサポーターもあれだけの雰囲気を作りました。たぶん外国でも、そう簡単にはない雰囲気だと思います。ですから、両方の選手に「本当にお疲れ様」と言いたいですし、素晴らしかったと思います。

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