短期集中連載『沖縄ハイサイ日記2017』(ハイサイとは沖縄の方言で『こんにちは』の意味です)『第1回ーザキトレのペアを紹介』

今年も沖縄でキャンプです。

2017シーズンの浦和レッズの第一次キャンプが始まりました。場所は昨年と同じ、沖縄県本島南部の八重瀬町にある東風平運動公園サッカー場です。東風平とは『こちんだ』と読みます。僕、昨年、この地名が読めずにちゃんと調べたのですが、一年経ってまた失念してしまい、レンタカーのカーナビで目的地を検索する際に固まってしまいました…。

昨年の沖縄は記録的な極寒に見舞われ、日本の気象観測史上初めて沖縄に雪が降る中でキャンプが行われました。いやー、本当に寒かった。風も強かった。でも今年は今のところ穏やかな晴れ、もしくは曇りが続いていて、気温も20度前後まで上昇するという沖縄らしい環境の中でトレーニングが行われています。良かった。また、八重瀬町の町役場の方々は大変親切で、ホスピタリティも整っています。トレーニング中は観客席近くに沖縄そばなどの屋台も出ていますし、『35(サンゴ)コーヒー』というご当地コーヒーも提供されています。これは『サンゴ焙煎』という製法で、風化した骨格サンゴを200度以上まで温めてコーヒー生豆を焙煎して……、この後の説明は写真をご参照くださいね。

浦和レッズは1月16日に埼玉から沖縄入りし、昨日のキャンプ2日目から本格的なトレーニングを開始しています。ミハイロ・ペトロヴィッチ監督は昨年と同様に一次キャンプで厳しいフィジカルメニューを課すだけでなく、午後練習ではミニゲームを実施して仔細な戦術指導を施すなど、強烈な負荷の掛かるメニューで選手たちに悲鳴を上げさせています。そんな選手の苦悶に満ちた表情を横目に見ながら、僕はせっせと写真を撮ってノートにトレーニング内容を書き付けているのですが、当然選手たちはそんな僕を恨めしそうに見つめています。さっそく、僕の前に来た阿部勇樹キャプテンが「俺を元気づけるために、島崎さん、PPAP(ピコ太郎!)やって! PPAPやって!」と訳の分からないことを言うので、「嫌です」と即答しておきました。阿部さん、心底がっかりして肩を落としています。キャプテン、態度で感情を表し過ぎです。

選手に課すフィジカルメニューを管理しているのは野崎信行トレーナーです。まるで鬼に見えます。フィジカルメニューは10種類あって、『肩で押し合い』、『起き上がりざまヘディング』、『体を捻ってボール移動』、『バランスボールにお尻押し付け』、『足踏み運動』、『紐引っ張り』など……。その内容を記述しても今ひとつピンとこない辛い作業が続きます。ところでこれ、すべてを2人ペアで行うんですね。その人選の組み合わせが非常に興味深いんです。おそらくキャンプ中、もしくは日常的に仲の良い選手たちが組んでいるんでしょう。以下、その組み合わせを記しますね。

それぞれ個性的なペアをご紹介

①ブランコ・イリッチ&ズラタン

言わずと知れた『スロヴェニアコンビ』。ロドリゴ通訳とセット。そもそも、ふたりはいつも一緒。ズラタン選手がインタビューを受けてると、うしろでイリッチ選手が手を組んで待ってます。母国時代からの幼馴染みですもんね。

②矢島慎也&関根貴大

『浦和ユース出身コンビ』。3年前、関根選手がトップチームに昇格して新加入した時、先輩の矢島選手はキャンプ中に何かと世話を焼いていました。当時同じく浦和ユース出身だった原口元気(ヘルタ・ベルリン/ドイツ)は全然世話していなかったけど…。今季、矢島選手がファジアーノ岡山からレンタルバックして再びふたりは蜜月です。全体練習終了後もふたりで仲良くランニングしてます。

③阿部勇樹&伊藤涼太郎

昨年と同じ組み合わせ。昨年は高卒新人の伊藤選手を百戦錬磨の阿部選手が蹂躙してました。今年は、やっぱり阿部選手が蹂躙してます。ショルダーチャージで押し合うメニューでは阿部選手が伊藤選手を芝生に叩きつけてました。無慈悲。でも、それも愛情。

④岩舘直&ラファエル・シルバ

ラファ選手、かなりキツそうです。優しい岩舘選手がメニューの合間毎に声を掛けてました。ちなみに岩舘選手とラファ選手は宿泊地で相部屋です。その他の相部屋相関図はいずれご報告しますね。

⑤田村友&菊池大介

『今季新加入コンビ』。ふたりとも黙々とトレーニングに励むタイプみたいです。でも、野崎トレーナーの通称『ザキトレ』は初体験なので、かなり苦戦していた様子。そういえば、4年前に初めて『ザキトレ』を経験した興梠選手は「あれ? なんで? なんでできないの? 俺、おかしいの?」と首を傾げていたっけ。野崎トレーナーの体幹メニューはかなりキツイと評判です。

⑥柏木陽介&榎本哲也

結構意外なコンビ。今季新加入の榎本選手、西川選手に顔付きが似ていますよね。そっくり。やはり榎本選手も『ザキトレ』には戸惑っている様子です。一方の柏木選手はいろいろ声を張り上げていてウルサイ。それでも結構ちゃんとメニューをこなしていました。

これは周作さんでした

 

2ページ目に続きます。

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