【無料掲載】2017AFCチャンピオンズリーググループステージ第2節・FCソウル戦[槙野智章]

○槙野智章

ーー5得点は浦和のACLのゲームで最多得点だそうです。

Q  そうなんですか。誰もが予想していなかったですし、一番驚いているのは僕たちでもあります。昨年からもそうですけども、1点を取ったら2点目を取りに行く、3点目を取りに行く姿勢というのを、ドイツ人がそういうやり方をするので、ウチにも植え付けたいということを監督が僕たちに常日頃から言ってきました。日本人のメンタリティでは1点、2点で満足して後ろでゆっくり動かしたり、そのままゲームを安牌で終わらせてしまう。それが日本人のもったいないところで、変えなければならない、ドイツ人から学ばねばならないと、ずっと言われてきた中での今日なので、畳み掛ける、もう1点前へ出る姿勢がこういう結果に繋がったし、完膚なきまでに今シーズン僕たちがやりたいこと、高いプレッシャーを掛けて、相手からゴールに近い位置でボールを奪って得点に結びつけるプレーが、今日の5点に凝縮されていたと思います。

——どこか、参考にしている特定のチームはありますか?

Q  バイエルン・ミュンヘンは観ていますね。前節のハンブルク戦も観ましたけども、5点じゃなく8点取るところがね。だから今日の唯一の反省点と言えば、最後のところで無失点で終わる。また前半に5点取れるんだったら後半も5点取れるはずだとか、そのようなところはバイエルンに学ばなきゃいけない。また、リーグ戦でマリノスに負けてからの今日だったので、チームは勝ちましたけども守備のところの2失点は反省しなきゃいけない。FKはしょうがないにしろ、最後の失点に関しては、この前も同じような形でやられていますので、反省してチームの中でもディスカッションしてきましたけども、またこうやってね。同じような失点シーンが出ているので、突き詰めていかないといけないです。

——次の上海上港戦に関しては。

Q 楽しみです。個人的にはフッキ選手が対面になると思うので、彼と、それから前線のエウケソン選手、オスカル選手の3人をどれだけ抑えるというか、彼らをゴールから遠ざけるプレーをできるか。非常に楽しみな一戦で、アウェーなので自分たちが不利な条件で戦うことを、逆に楽しみにしたいと思います。

——韓国のチームとの対戦で、以前と比べてベースアップした部分は?

Q もう、全然違いますね。2年前にやった時は自分たちがグラウンドに寝てファウルを要求するシーンが多かったんですけども、今日は観ていても分かったように自分たちが相手を倒して、相手がファウルを要求する、アピールするシーンが多く生まれていたのが、この2年間で大きく変わった点だと思います。球際、ファウルをしないでボールを奪うのはもちろんのことですが、ボールに対してアタックに行けている。相手との距離を詰められているという点ではね。また、韓国と日本との距離についても、どんどん縮まっているんじゃないかなと思います。

——今日は序盤から一気に行こうと思ったのか、それとも相手の状況がそうさせたのでしょうか。

Q いや、自分たちから行こうと思っていました。さいたまシティカップで対決した時に、ソウルの前半組がかなり高い位置からプレスを掛けていたので、今日もそういうプレスが来るだろうとは分かっていたし、逆に自分たちは来てくれた方がいなせるし、相手の裏を突けるだろうなとも思っていました。実際に裏も突けて点も数多く生まれたし、まあ、想定内の内容だったかなと思います。もしかしたら逆のパターンになっていたかもしれませんね。ウチが5点取られていた可能性もあったかもしれません。ただ自分たちが21にされた時、大きなポイントだったのはすぐに3点目が取れたことですね。ここで落ち着いてボールを回しているようでは2点目を取られたと思います。自分たちはリスクを冒してでも前で取りに行く。ゴールを取りに行く。その姿勢が、この点差に繋がったと思います。

——シーズン初めのACLに対する準備は万全だったのでしょうか。

今年は例年に比べると、チャンピオンシップから休みが1か月以上あったので、どちらかというと身体を起こす時間の方が長かったので、コンディション的には去年の今のほうが良かったと思います。ただ、この大会に毎年出させてもらっている中で、雰囲気、経験、対戦相手など、この大会のやり方を掴めている印象があります。ましてや、昨年ラウンド16でソウルに負けていますので、試合前の円陣でもたくさんの選手から「同じ相手とこのタイミングでできるのは幸せだ」とか、「同じ大会で悔しい気持ちを晴らさなきゃいけない」という声も飛んでいたので、それがプレーにも結びついたと思います。

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