【無料掲載】2017AFCチャンピオンズリーググループステージ第2節・FCソウル戦[ミハイロ・ペトロヴィッチ監督、李忠成][記者会見]

ミハイロ・ペトロヴィッチ監督
非常に厳しいゲームを予想していました。なぜなら我々は短い期間で4試合を戦っているからです。そのタイトな日程に加えて、シドニーへの長い移動があった中での4試合目でした。

反対にFCソウルは、先週の火曜日に上海上港と試合をして、今日のゲームの間に1週間という十分な時間がある中で、しっかりと準備をして今日のゲームに臨んでいました。FCソウルは大きなアドバンテージを持った中でのゲームでした。ただ、蓋を開けてみると、我々が想像していたより、比較的我々にとっていい形でゲームは進んできました。

FCソウルはアジアで最も強いチームに数えていい、非常に強いチームです。ただ、そのチームを相手に我々が今日のような試合ができたのは、選手たちが立ち上がりの1分から非常に素晴らしいプレーと、強い気持ちを見せて闘ってくれたからだと思います。今日、我々は開始20分くらいで試合を決定づけるようなパフォーマンスを見せることができました。70分過ぎくらいまでは、我々のチームは素晴らしい内容のゲームができました。その後は連戦の疲れが見え始めた内容でしたが、試合全体を見ても素晴らしい結果だったと言っていいと思います。ただ、今日は大差でゲームを終えることができましたが、今後も大差で勝てるとは限りません。しっかりと気を引き締めて次の試合に準備していきたいと思います。

李忠成
まずは、個人的に2試合連続のMVPに選んでいただき、そしてこの会見の場に来ることができて、とてもうれしく思います。チームとしては、取るべきところでしっかり点を取って、浦和レッズらしいコレクトなゲームができたと思います。特に前半は、しっかり各々の選手が仕事をして結果を残しました。今までは、決められなくて自分たちで難しいゲームにしていましたが、今回は結果もしっかりついてきた試合だったと思います。

Q 前線が興梠や武藤の時はうまくいっているが、途中からラファエル・シルバやズラタンが入ってきた時はうまくイメージがシンクロしていないように見えるが?

李忠成
自分たちはそこまで意識はしていません、誰がどこに入ろうとも。FWは乗るか、乗らないかが大事です。乗った選手がスタメンに出られると思っていますし、乗るまでの準備のプロセスがとても大事だと思います。それがすべて、結果にも出るので、選手は自分のパフォーマンスを100パーセント出すこと、そして監督はどの選手を起用するかだと思います。どの選手もクオリティが高く、それぞれのパフォーマンスが見れるのが楽しみだと思います。

Q 前半に得点を重ねられた要因は?

李忠成
やはり守備だと思います。攻守の切り替えがとても早かったですし、前線の3人だけでなく、中盤やディフェンスの選手も、ボールを取られた瞬間に相手よりも早く守備にいったことがいい攻撃につながったと思います。チーム一丸となって早い切り替えができたクオリティの高さがいい攻撃につながったと思います。

ペトロヴィッチ監督
李選手はセレッソ戦を休ませようかと思っていましたが、今日のベストプレーヤーなので考えないといけませんね(笑)。

Q 前半に大差がついたことで難しい面もあったと思うが、ハーフタイムの指示は?

ペトロヴィッチ監督
受け身に回ったらよくない展開になると話しました。立ち上がりからボールをキープするだけでなく、特に最初はアグレッシブに入っていくこと、そして得点を狙にいこうと伝えました。その中で、たとえば宇賀神のチャンスだったり、70分までに得点してもおかしくないチャンスを作れていました。70分過ぎから疲れてくることは予想していましたので、その後は徐々にリードを守る展開になるだろうと予想していました。できれば、5-1のスコアで終えたかったですが、残念ながら最後に2点目を取られてしまいました。

サッカーをしていた方でないと分からないと思いますが、10日間の間に4試合を行うことは非常に厳しいものがあります。特にシドニーへの移動は飛行時間だけでなく、10日間全体の移動時間を考えたら片道30時間くらいかかるような移動でした。その移動もありながらの10日間の4試合目というのは、選手にとって非常に負担がかかります。その中で今日見せてくれた選手たちのパフォーマンスであることを、忘れないでいただきたいです。

Q 速い攻撃が効果的だったが狙い通りだった? また、ボランチでプレーした駒井の評価は?

ペトロヴィッチ監督
今日の試合前のミーティングは非常に短いものでした。昨日の会見の席で受けた質問の中に、鹿島、ウェスタン・シドニー・ワンダラーズ(WSW)、横浜F・マリノスと、この3試合を監督としてどう見ているかというものがありました。私は手応えのある3試合だとコメントしました。なぜなら、鹿島戦は2点リードされる展開でしたが、後半に興梠選手が入って2-2に追いつくことができました。残念ながら自分たちのミスから3失点目を喫してしまいましたが、あのようなミスは、サッカーの世界ではたまに起こってしまうものです。負けた中にもチームの手応えを感じることができました。

鹿島戦は、負けはしましたが手応えのあった試合でした。シドニーには4-0で勝利して、素晴らしいゲームができました。その後のマリノス戦は3-2で負けましたが、91分の時間で見ている人たちの評価は浦和からぐっとマリノスに傾いたのではないかと思います。もちろん結果を見て評価されますが、ただ私は監督として結果だけで評価しないことをみなさんにもご理解いただきたいです。

マリノス戦に関しては、齋藤選手に気をつけるようにチームとして戦っていましたが、サッカーですので、自分たちがいくら気をつけていてもやられてしまうことはあるでしょう。我々も勝利できるチャンスがあったわけですが、結果的に我々が負けてしまいました。ただ、内容を見れば、特に後半は運動量でも球際でも、そしてチャンスの数でも上回っていたと思います。ただ、そういう拮抗した試合の中で負けてしまうこともあるでしょう。私は、マリノス戦に関しても、決して下を向くような試合ではなかったと思いますし、自分たちが間違った方向に行っていないことをあらためて確認できました。

今日のゲーム、試合前に選手たちに話したことは、我々が勝つぞと、間違いなく勝てるゲームだということを伝えました。5年間、このチームを率いていますが、前節の結果で、次は絶対に負けないという強い気持ちを必ず次の試合で持って戦い、自分たちへの批判であったり、圧力を跳ね返すだけの選手たちです。私は選手たちをよく知っています。こういう状況の中で、選手たちは必ず次の試合でやってくれる、私はそう確信していました。

駒井選手はクラブが5億円かけて補強した選手ですから、それに値するプレーを見せてくれたんじゃないでしょうか(笑)。みなさんもご承知の通り、私はなかなか普通の歩き方をしていないような腰の健康状態ですが、まだいい目を持っていることは自信を持っています。駒井選手については、どこが的確なポジションなのか以前から十分に理解していたつもりです。ただ、その選手に対して、いつ、どのタイミングでその場所で起用するのかは、監督としてタイミングをうかがったり、判断してきました。今日がそのタイミングでした。

浦和であのポジションをやることは決して簡単ではありません。十分なチーム全体の戦術を理解した上でないと、あるいは、ある程度の時間をかけてチーム全体の戦術を理解した上でないとあのポジションはできません。若い選手にいきなりそこをやらせて、できないと評価の烙印を押してしまうのは簡単ですが、彼がその時期が来た時に起用するのがその選手のためであろうと思います。もちろん、クラブは駒井選手に5億円もかけて補強はしていませんけど、これからの評価では比較的早い段階でそれくらいの値段に跳ね上がる可能性はあるでしょう。高木選手は今、けがでリハビリ中ですが、彼もそういうポテンシャルのある選手です。駒井選手は5億円ではなく、4億円でした(笑)。お金の部分はすべて冗談です。

敏捷性とスピードのある選手は、これからのサッカーに求められる選手の質であろうと思います。今日の試合で選手にもう一つのポイントとして言ったことは、日本では韓国と日本の選手が対戦すると、日本の選手は技術はあるが球際やフィジカルで韓国の選手に劣ると言われてきたが、そうでないことをピッチで証明しろと選手に言いました。球際や運動量で負けていないことを表現しなさいと、そういった烙印を押されてきた過去を払拭しなければいけないと伝えました。

私は選手がそうであることを信じていましたし、実際に選手たちはそれを証明してくれました。そういった先入観で見るべきではないと思います。ポジティブに考えることは、物事を実現していく上で大事なことです。

今日は勝ててよかったが、中3日でセレッソ戦を迎えます。そこで負けたら、批判されるでしょう。でも、そこで批判されたら、次の試合は勝てるでしょう(笑)。

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