【無料掲載】2017明治安田生命J1リーグ第5節・ヴィッセル神戸戦[ミハイロ・ペトロヴィッチ][監督コメント]

○ミハイロ・ペトロヴィッチ監督
今日のゲームは我々の出来に関して、なかなかポジティブなところを探すのが難しいゲームでした。今日の前半というのは今シーズンの公式戦の中で一番出来の悪いものだったと思います。運がよかったのは神戸も決して出来がよかったわけではない中で試合が進んだことです。前半は選手一人ひとりが勝手なことを始めてしまったように見えましたし、チームとして狙いとしているボールの動かし方や、ボールがないところでの動き出しやポジショニングといったものが、いつもやっている形ではなかったと思います。ハーフタイムに私は選手に対して大きな声で叱責しました。

後半が始まって、選手たちはピッチ上で前半よりはいいポジショニングを取る中で、前半よりはよい戦い方、そしていい流れが作り出せたと思います。ただ、本来の戦い方という点で言うと、もっとベターな戦い方をしなければいけなかったとも思います。

我々は前節のガンバ大阪戦で5回、6回といつ得点してもおかしくないような大きな決定機を作りながら、残念ながら1-1で引き分けてしまいました。逆に今日のゲームは決定機をなかなか作り出すことはできませんでしたが、勝利できたことだけはよかったと思います。サッカーとは非常に面白いもので、ガンバ大阪戦は非常にいい戦いができた中で引き分け、今日は私自身あまりいい出来ではなかったと思う試合で勝利ができました。

私は引き分けたゲーム、あるいは負けたゲームの中でも、自分たちの内容がいいゲームに関しては非常に前向きなコメントをしますが、勝っても今日のような内容のゲームのときには、自分たちの出来の悪さに対して正直にコメントします。日本は比較的、結果でその試合に対しての評価をされがちですし、あるいはそういった評価をされる監督が多いです。私自身は客観的に自分たちのチームを見たときに、結果に左右されず、その内容で評価をしたいと考えています。

もちろん結果がで左右される職業であるのですが、私は浦和レッズの監督として、結果だけを求めて戦っていては足りないと思っています。浦和レッズは日本でもっとも多くサポーターを抱えるクラブとして、内容と結果の両方を非常に高いレベルで求めてやっていかなければいけません。だからこそ、今日勝ってそれでよしではありません。やはりしっかりとした内容で勝たなければいけないと考えています。

Q 駒井選手を入れて、柏木選手のポジションを変えてから流れが変わったように思えるが、その意図と柏木選手の評価は?
もう、ご自身が見た通りで、答えを出されているのではないかと思います。駒井選手が入って流れがよくなったとおっしゃったが、私もそういう狙いを持って代えた結果、ああなりました。駒井選手は非常にスピードとアジリティのある選手です。彼がボールを持ってグッとスピードを上げて前に運ぶことによって相手の守備を剥がしていける、そのことによって相手の選手が駒井選手に行かなければいけない状況の中で他の選手が空いてくる、そういったことがゲームの中で起こるだろうという予測の下で彼をボランチに起用しました。

私は個人の選手の評価はしない監督です。サッカーというのはチームスポーツであり、今日の試合は全員で戦って勝利した試合です。ただ、言えることは、陽介は今日、彼が生まれ育った神戸で2得点を挙げて勝利しました、それは私にとっても本当にうれしい結果です。神戸の方にとっても、地元の選手が活躍してくれたのはうれしいことではないかと思うが、どうでしょうか。

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