悔しい経験を糧にし、苦境を跳ね返して掴んだ逆転勝利【島崎英純】AFCアジア・チャンピオンズリーグ・ノックアウトステージ・ラウンド16第2戦・済州戦レビュー

第1戦で得た教訓を生かし

浦和レッズはアウェー・済州島での第1戦を踏まえて済州ユナイテッドの力量を把握していた。第1戦のシステムは3ー1ー4ー2。済州・トップ下のマルセロ・トスカーノを警戒してキャプテンの阿部勇樹にアンカー役を任せたが、様々な弊害が生まれてバランスを崩した。興梠慎三とズラタンの2トップは不発で、サイドで1対1を作れなかったことも痛かった。そして何より、攻撃のきっかけを生む敵陣への縦パスをカットされて済州最大の武器であるカウンターを浴び続けたことは反省材料となった。

第2戦を戦うにあたり、浦和には徹底した相互理解があった。試合後に関根貴大が明かす。

「もちろんリスクを冒して攻撃しなければ得点を奪って勝つことはできない。ただ、単純な中央への縦パスは控えて、できるだけミスからカウンターを受けないように気をつけました」

『安易な縦パスを入れない』。この考えには明確な論旨があった。具体的に説明すると、前線トライアングルの興梠慎三、武藤雄樹、李忠成への足下パスを控え、相手バックライン裏へのフィードボールを多用したのだ。その意図はリベロの遠藤航が説明してくれた。

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