【無料掲載】2017明治安田生命J1リーグ第13節・川崎フロンターレ戦[中村憲剛(川崎)][選手コメント]

○中村 憲剛
向こうが奇襲じゃないですけど、[4-4-2]だったので、最初の5分ぐらいは面を食らいましたが、マークもあいまいでしたし。でもそんなに長くやっているシステムではないですし、ボールを保持していれば、向こうの守備が勝手に崩れるというか、空いてくると思いました。2点目のシーンはオレの狙いどおりでした。自分にボールが入った瞬間に前も走り出してくれますし、そういう動きが出てくるとどんな対策をされても点は入るかなと思っています。

ボールを受けたときに遠藤と槙野の間が空いていたので、そこに通そうと。止めたらオフサイドになるだろうから、ダイレクトにパスを出しました。あのシーンはすごいなと思った。誰か書いてほしいですよ。あの1本で今日のオレの仕事は終わったと思っているぐらいです。

 

Q 守備のときは相手が4枚だったので、5枚のときよりはCBの間がひらくと思っていましたか?

A ビルドアップのときは3枚になるので、相手が守備のときはそう思っていました。守備のときは阿部ちゃん(阿部勇樹)がマンツーマンでとにかく付いてきたので、見ていないときは阿部ちゃんの背中に入ったり、ネットやリョウタ、ウチの阿部ちゃんが降りてくるシーンをたくさん作れたと思います。

オレとしてはもっとボールに触りたかったですが、阿部ちゃんを引きつけることで周りが空く。浦和はアンカーのような布陣でしたし、左右も関根と駒井くんなので、サイドのアタッカーだから絞りも甘い。そうなれば、エウシーニョと車屋を使えばいい。そういうシステムをやっているガンバのほうが強度はありましたし、余裕を持ってボールを持てれば崩せると思っていました。スペースもあっても崩せるから、無理にパスを入れてミスが出てしまう変な空気も前半に生まれがちになりました。それは神戸戦でも似たような現象がありましたから反省点です。

ぶっちゃけ(小林)悠とネットが決めていればもう試合は終わっていたと思います。それで失点をしましたから、流れはしんどかったです。でもそのあとに突き放して一人退場者が出たので、また点を取れましたが、試合運びは課題です。ただネガティブな部分を見るのではなく、点を取って勝てたというポジティブなことに目を向けたいですね。

このタイミングで浦和と対戦することで勝てたことは大きいです。ACLは別ですよ。2戦合計ですし、今日は僕たちが勝てましたが、次の対戦は8月で別のチームでしょうし、コンディションも変わっていると思います。僕の中ではACL前哨戦という感覚はないです。レッズはいつもウチを嫌がっていますし、自分たちがしっかりとできるか、という問題だと思います。

同じスタメンが3試合続いています。途中から出ている選手も今日は長谷川が結果を残したし、アキ(家長)もヘディングで悠のPKを演出しました。同じ11人でこの時期は暑いので戦えないのですが、同じ方向を向きながら戦えていることは大きいと思います。

 

Q 今季のフロンターレは相手の隙を突くようなサッカーですが、まさにそれを表現できた試合だったと思います。

A 守備が全然違います。守備は阿部ちゃんとスイッチを入れるのですが、そのタイミングも良いですし、周りも連動するという意味ではまだ隙はあります。それはもっと話して詰めないといけません。レッズがどんなシステムで来ても、どこが空いて、どこを突けばいいか、相手を見て判断しようと話していました。それは神戸戦でもできていましたし、相手が変わった中でもやっただけで、ミスはありました。

もっと決定機を作れました。まだまだですが、4点を取っても、もっと取れたと思います。[4-4-2]にしてきた時点で精神的に優位に立てましたし、それだけレッズは苦しいんだなと思いました。最初の5分は面をくらいましたが、ボールを動かす中で点を取れましたし、追加点も取れました。暑さの中、止めるところと出ていくところがまだまだですし、一気にスピードダウンや加速しようとするので、もう少し、みんなで詰めていかないといけないと感じています。

 

Q 阿部選手もさらにフィットしてきた印象です。

A 技術もあるし、賢いし、ポジショニングも良い。守備もできます。非常に一緒にやっていて楽です。欲しいときに前へのパスも入るようになっていますし、実際に1点目はその形で入りました。阿部ちゃんにボールが入ったときに周りもそう動けるようになってきました。

阿部ちゃんは動きながらサッカーをできる選手。リョウタがいて、ネットがいて、阿部ちゃんがいれば、オレは何もしなくても良いですけどね。オレはいるだけでマークを引き付ければいい。それは若干寂しいんだけど(笑)。今日の2点目は何度もリプレーを見ようと思います。久しぶりに「らしい」パスでした。

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