堀孝史体制初陣はドローも、明らかになったチームの変化【島崎英純】2017明治安田生命J1リーグ第20節・大宮アルディージャ戦レビュー

非公開で取り組んだこと 

 第二次堀孝史監督体制の初陣。2011シーズン途中にゼリコ・ペトロヴィッチ監督からチームを引き継いで指揮を執り、J1残留を果たした経験のある堀監督は、ミハイロ・ペトロヴィッチ前監督が去った直後からチーム改善に着手していた。特にリーグワースト2位の36失点を記録している守備の整備は必須で、指揮官は試合前々日から2日連続の非公開練習を敢行して選手との共通理解を深めた。

 連敗中、指揮官交代という緊急事態の中で臨んだ『さいたまダービー』。大宮アルディージャと対峙した浦和レッズの布陣は前監督が採用した3-4-2-1だった。GKは西川周作、バックラインは3日前の練習で左足首を痛めた遠藤航をリベロに据え、右に森脇良太、出場停止の槙野智章に代わって左に宇賀神友弥が入る3バック。ダブルボランチはキャプテンの阿部勇樹にチームのコンダクター・柏木陽介、両翼の右に関根貴大、そして左には約4か月ぶりのリーグ戦スタメンを飾った菊池大介、そして前線トライアングルは1トップ・興梠慎三に、シャドーは武藤雄樹とズラタンが務めた。

 かたや大宮アルディージャは試合時間の経過と共に目まぐるしく布陣が変わる可変システム。GKは元浦和の加藤順大で、ディフェンスラインは基本的に4バック(右から和田拓也、河本裕之、菊地光将、奥井諒)ながら、左MFの岩上祐三をバックラインに吸収させる疑似5バックでマンツーマンブロックを築き、カウエと大山啓輔を中央に据え、前線の江坂任、茨田陽生、マルセロ・トスカーノも守備に参加させて堅牢な壁を築いた。

(残り 5128文字/全文: 5787文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

1 2 3 4
« 次の記事
前の記事 »