エースの神通力で鬼門突破! チームの変化を検証【島崎英純】2017J1リーグ第28節・ベガルタ仙台戦レビュー

ほぼターンオーバーはせず

 AFCアジア・チャンピオンズリーグ準決勝第1戦、上海上港とのアウェー戦を1-1のドローでしのいだ浦和レッズは、中3日でアウェーの宮城県仙台市へ赴き、Jリーグ第28節でベガルタ仙台と対戦した。

 堀孝史監督がピッチに送り出した先発メンバーは上海上港戦からMF長澤和輝とMF梅崎司が入れ替わっただけだった。梅崎は左サイドアタッカーのポジションに入り、前回長澤が務めていたインサイドハーフには武藤雄樹、そして負傷を抱えながらも連続出場を果たした柏木陽介が並んだ。いわゆるターンオーバーは最小限に抑えたわけだが、この仙台戦が過密日程7連戦の最後で、この後は約2週間のインターバルに入ることから、現状で堀監督が考えるベストメンバーを送り出したかったのだろう。

 特に心配だったのは新体制後フル稼働している1トップ・興梠慎三のコンディションだった。リーグ戦で17得点を挙げて得点王争いのトップに立つ彼は2013シーズンの浦和加入後の仙台戦で9試合13得点していて、”仙台キラー”として名を馳せている。データ上は彼を外す論旨など考えられないわけだが、今は膝の痛みに耐えながら試合出場を続けている状況で、体調面の問題が懸念されていた。しかし、それでも堀監督は今のチームの1トップ最適任者は興梠以外に居ないと認識し、今まで通りに彼をスタメンに抜擢した。他に指揮官が信頼を置く選手としては左サイドバック・槙野智章、アンカー・青木拓矢、インサイドハーフ、サイドアタッカーと多岐に渡る役割を課せられている武藤、そしてキャプテンの阿部勇樹。このあたりが、堀監督が中軸に据える選手たちだと推測される。

 そんな中、上海上港戦と仙台戦の2試合でチームに変化が生じた事象もある。それは、これまで右サイドバックのレギュラー格だった森脇良太が2戦連続でベンチに回り、このポジションに遠藤航を抜擢している点だ。

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