松沢呉一のビバノン・ライフ

看板のピンクはエロの色・下着のピンクは子ども色-桃色探訪 2- [ビバノン循環湯 32] (松沢呉一) -3,113文字-

「文化によって違うエロの色」からの続きです。

 

 

 

中国は黄色がエロの色、英語圏ではブルーがエロの色

 

vivanon_sentenceはっきりしたものではないにせよ、あえて言うなら、日本では子どもの色は黄色だろう。車や通行人に注意を喚起するため、幼稚園児が黄色い防止や制服を着ているところに由来するのかとも思うが、「黄色い声援」という言葉もあって、若い女性や子どもをイメージする。

中国ではそのIMG_2492黄色がエロの色だ。これは日本に来ている中国人だけじゃなく、中国に行った時にも確認していて、台湾を含めて中国全土で共通している(「側室を多数抱える皇帝の色から来た」など諸説あり)。

中国語圏でエロ小説は「黄色小説」、エロ映画は「黄色電影」であり、これも辞書にそう書かれている。エロの意味を除いても、卑俗なイメージの色であり、イエローペーパーのイエローと同じなのだ。

では、中国でピンクはどういう色かと言うと、やはり若い女性の色。左の写真は北京だったか上海だったか忘れたが、女子会館のようなものかと思う。もしかすると、こちらの意味に関しては世界的に共通しているのかもしれない。

これらの各文化の色のありようを見て行くと、色とそのイメージの強度と質は違っていることに気づく。

パトリックが言うように、英語におけるブルーはエロのイメージだが、実際のブルーにそのようなイメージはなく、エロとしてのブルーは言語的な意味にほぼ限定されている。では、これはどこから来たものか。

 

 

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