日本で「積極的合意」のルール化は可能か-yes means yesの意義と実現性 12(最終回)- (松沢呉一) -3,108文字-
「犯罪続出のアンダーグラウンドセックス-yes means yesの意義と実現性 11」の続きです。
日本での可能性
米国の大学で浸透しつつある、「セックスする場合は、事前に積極的合意の記録を残すルール」を日本に持ち込めるかどうかを検討してみます。
まず敷地内でセックスが公然と行われている大学自体がほとんどなさそう。
米国だと敷地が広大で、中に学生寮があり、学生同士のカップルで寮に住めたりしそうですし(知らんけど)、そうじゃなくても、寮でのセックスは自由でしょうが(知らんけど)、日本では寮が大学の敷地内にあるケース自体が少ない。
キャンパス外であっても、寮は大学が専有している場所であり、このルールの適用ができるようにすることは可能でしょうけど、日本では多くの場合、男子寮と女子寮は離れた場所にあって、男子寮は女子禁制、女子寮は男子禁制だったりするでしょう(知らんけど)。
寮生以外の人を呼び入れてセックスするのも可になっている寮ってあるのかな。黙認されているケースはあるでしょうけど。
※写真は本文となんの関係もありません。
セックスが行われている大学寮の実情
数は少ないと思いますが、東京にも、キャンパス内に男女の寮がある大学があって、つい先日、そういう寮に今現在も住んでいる女子生徒に話を聞く機会がありました。彼女によると、寮内でセックスしているのは多いとのこと。つきあっているのもいれば、寮内の飲み会の勢いでやるのもいれば。
彼女は寮でしたことはないのですが、近隣にある青姦スポットを教えてくれました。まず行くことのない場所なので、私にはどうでもいい情報でした。
生徒の間では寮内セックスは公然ですけど、大学側が認めているわけではなくて、「大学側が生徒のセックスを公認することはないと思います」と彼女も言ってました。
敷地内でなされている公認セックスがあるとすると、教員や職員用の住宅くらいじゃないでしょうか。そこまで完備している大学は少なそうですし、そこではこのルールを必要とはしていない。
寮以外でも、クラブハウス、道具置き場でやっている人たちもいるでしょうけど、このルールを作ると、今度は学内セックスの公認になってしまうため、大学は二の足を踏むと思います。
もっとちゃんと調べる必要がありますが、yes mesns yesが成立する米国では、学校という場であっても個人の権利を守る意識が働く。yes means yesが成立しない日本では、学校は集団の秩序が優先される場であり、個人の権利はないがしろにされがちなのではないかとも思えます。
※写真は本文となんの関係もありません。本文に出ているのは共学の大学であり、写真は数日前にたまたま通りかかった女子大。
せいぜいマナーどまりか
そうなると、日本では、趣味のサークル、バンド、劇団、市民団体などの任意団体くらいしかこのルールを導入できない。
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