ライブチャットで児童を完全排除できないわけ-毛から世界を見る 23- (松沢呉一) -2,628文字-
「米国のライブチャットでは18歳未満が出ている可能性がある-毛から世界を見る 22」の続きです。
18歳未満が出ていてもそうとは認識できない
前回確認したように、米国のライブチャットは事前の年齢確認はなく、疑わしい場合にIDをチェックするという方式です。よって、
1.疑われなければ18歳未満でも出続けることがある
2.疑われてアカウント停止されるまでは18歳未満が出ていることがある
3.偽造IDで出続けることがある
ということになってます。
「やったあ、18歳未満の裸が見られる」と喜ぶ人がいるかもしれないですが、1は誰も疑わないから出続けられるわけで、見てもそうとは気づけません。「登録年齢18歳になっているけど、16歳かもしれない」と想像しながら性器のアップを見てても意味ない。38歳かもしれないんだから。
2のケースはたしかにあるのですが、ずーーーーっと見ていて、たまたま出くわすことがあるだけですし、前回出した「ナックルズ」の例のように、18歳以上なのに、IDを送らなかったためにアカウント停止になっているケースの方が多いと思います。面倒だし、見せたくないでしょ、実名の入った身分証。
「きっとさっきの子は16歳に違いない」と確信するのは勝手として、そんなレアケースを待つんだったら、ちゃんと仕事するなり、学業に励むなりした方がいいと思います。そんなレアケースに出くわす私も仕事をした方がいいです。
日本のAV業界や性風俗業界でも、時折、偽造の学生証や他人の免許証で働いて、皆を困らせるのがいますから、3のケースもあり得ると思うのですが、これも確証はなく、「このいっぱいの人の中に17歳がいるのだ」と興奮するのはご自由に。
※男子部門の方が18歳、19歳が多いかもしれない。このSSの子は登録年齢は18歳。実際の年齢はチンコを見てもわからんです。チンコやキンタマ袋で10代か30代かはわかるように思いますが。私は男子部門もよく見ているので、一日がすぐに終わるんだな。
既存ポルノとの違いは仕組みの違い
なんにせよ、既存ポルノに比して、米国式ライブチャットでは、規制がゆるく見えるのは事実。
「なぜなのか」については、国内外の児童ポルノ規制に詳しい知人に先日軽くレクチャーをしてもらいまして、米国式ライブチャットはサイト運営者と中継者は雇用関係になく、たんなる映像中継のプラットフォームのため、そうとわかって放置をしていない限りは罪に問われないということだろうと思われます。
YouTubeに児童ポルノや著作権侵害の動画を公開した場合と同じです。あるいはSNSで名誉毀損をした場合と同じです。
一見ゆるいように見えながら、ゆるいわけではなくて、AVやエロ本とは、主体が違い、関係が違い、役割が違うということになろうかと思います。
YouTubeでも、Ustでも、Facebookでも、Twitterでも、なんらかの違法行為があった場合、その主体は利用者(書き込んだ人、投稿した人、中継した人)ということになります。
たとえば「ナックルズ」の例のように、出演する人物と別の人間が、企画して出演者に依頼している場合、この人物が制作主体ですから、出演者の年齢チェックや記録の保存等の義務を負い、彼女が18歳未満だった場合に、それらの義務を怠っていると処罰されることになります。
その立場でIDの偽造をやると、さらに私文書偽造や公文書偽造になって罪が重くなりそうですから、やめた方がいいと思います。
追記:規約上は、運営が18歳未満と判断したら、つまりはそう見えたら規約違反としてアカウント停止をすることが可能になっています。つまり、IDチェックは運営がしなければならないものと位置づけられているのではなくて、そう疑われた側の自己救済の余地を残したものだと見ることができそうです。
※毎度の注意ですが、エロ画像がありますので、18歳以上の方だけこの先にお進みください。
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