松沢呉一のビバノン・ライフ

人は表現をしないではいられない-毛から世界を見る 27- (松沢呉一) -2,338文字-

なぜ性は商品化されるのか-毛から世界を見る 26」の続きです。

 

 

 

人にはそれぞれの役割がある

 

vivanon_sentenceCAM4には年配の人たちがたくさん出ていますが、これはマニア狙いというだけではありません。

今は見かけませんが、かつてチャットだけで人気を得るおばあちゃんがいました。恋愛やセックスの相談を受付け、自分の体験を語るのです。

でも、リクエストがあると、おっぱいをチラッと見せます。垂れたおっぱいに魅力を感じるわけではないのですが、おっぱいに勇気づけられます。

エロではもう勝負できない。しかし、正しく役割を果たせば、老いた自分でも居場所をここに確保することができる。こういう姿勢に大いに共感します。「自分はもう衰えてしまって楽しめない。楽しんでいるヤツが妬ましい」と足を引っ張るような老害はいらん。

私がCAM4をよく見ていた時の常連さんで、ドイツの男女がいました。この人たちはエロいことは一切しません。自宅でパーティを主催しているようなカップルだと思うのですが、おそらく自宅を改装したクラブのような場所で、ただただDJをやっています。

みんなエロで疲れるじゃないですか。オナニーする人は終わるとグッタリする。そんな時はここで休憩して、いい音楽を聞いて癒やされます。

彼らは毎日のように出ていたので、私は原稿を書いている時に彼らのページを開いてBGMとして使ってました。

こういう人たちが象徴するように、チップ制が導入される前は今よりもっと長閑だったようにも思います。しかし、チップ制の導入は別の意味でまた面白さを加速させていきます。

※このSSの二人はかわいい。一人一人を見ると、顔立ちがそうかわいいわけではないのですが、二人で「どうしたら受けるか」を考えたんでしょうね。下着を買いに行き、小道具を揃え、メイクも濃い目に決めて、照明も考えて。脱ぐまでもなく狙い通りにチップをもらえてキャッキャッと喜ぶ姿がまたよくてね。そのあと脱いだかもしれないけれど、脱がなくても勝負は可能。法の壁がある日本人も諦めてはいけない。

 

 

チップ制導入によるプロ化

 

vivanon_sentence5年ほど前にチップ制が始まって、その時に大きくCAM4は変貌をしていきます。

これまでは金にならなくてもなされていた工夫が、商品化がなされることによって加速していきます。

 

※エロ画像が出ていますので、18歳以上のみ、以下にお進みください。

 

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