松沢呉一のビバノン・ライフ

STDとクレーマーは社会の敵—おっぱい募金に行ってきました-(松沢呉一) -4,049文字-

 

整理券受付はあっという間に終了

 

vivanon_sentence10月10日、「おっぱい募金」に行ってきました。当初から行くつもりだったのですが、事前に整理券をもらう必要があり、気づいた時には受付を締め切ってました。しまった、甘かった。

あとでパラダイスTVのスタッフに聞いたら、初日で各回8割方埋まったとのこと。今回は30分単位に区切られていて、6時間で計12回。各回定員60名。それがあっという間に埋まってしまうのです。ポール・マッカトニーのコンサート・チケットをとるくらいの心構えが必要でした。

取材で入る手もあるのですが、私は気が小さいので、さして読者のいないウェブマガジンの取材で行くのは気が退けます。

諦めていたところ、知人でパラダイスTVと仕事でつきあいのある人物がいまして、彼が当日になって話をつけてくれて、取材で入ることになりました。

 

 

厳重チェックの中の開催

 

vivanon_sentenceチェックがムチャクチャ厳重です。頭のおかしいクレーマーどもが嫌がらせにやってくることを警戒しているのではなく、もともとだそうです。

事前申し込みをしていない人は入場お断りです。

中継に顔が出てしまうかもしれないため、全員、出演者と同じ扱いで、放送されてもいい旨の誓約書にサインをします。

また、パスポートや免許証、住基カードなど、写真入りのIDを提出しなければならず、それもすべて記録を撮ります。よって偽名の誓約書は不可。左の写真はカメラに向けてIDカードをかざしているところです。

これはAVの現場と同じです。私も「持ってきて欲しい」とのことだったので、パスポートを持って行きましたよ。

一般のテレビ出演や取材でこうも厳重なチェックがなされることはなく、エロ系メディアはしっかりしています。

その手続きが終わったところに募金箱があります。募金箱はここにしか置かれてないので、帰りに金を出すことはできません。「おっぱいの触り心地がよかったから」と寄付をすることはできないことになっています。

もちろん、これは強制ではなくて、実のところ私は金をおろし忘れていて、ポケットに150円くらいしか入っていなかったので、募金してません。すいません。

 

 

HIVの啓発イベントとしても効果抜群

 

vivanon_sentence通路や階段にはいたるところにHIV関連のポスターが貼られていて、イヤでも目にしてしまいます。

エイズ予防のポスターは銭湯に貼られていることもあって、気にして見るようにしているのですが、見たことのないポスターもありました。

女優さんと男優さんが控えているスタジオの入口で手を消毒。

奥に紅白の幕があり、そこに一人一人入っていって、女優さん、男優さんとご対面です。

番が来るまで幕の前で待ちます。

後ろのプロジェクターにはHIV関連の情報や関連団体の説明をする映像が流れています。他にやることがないということもあるのですが、多くの人たちはそれを見ています。検査の呼びかけもなされていましたから、このうち何人かは近いうちに検査に行くのではなかろうか。

スタッフは仕事でからみをするわけではないので、検査が義務づけられているわけではないのですが、こういう環境ですから、おおむね検査に行ったことがあって、保健所の検査で、自覚症状がないクラミジアが見つかったと語るスタッフもいました。

とくに女子は無症状のクラミジア感染者が多く、妊娠時の検査でわかることがあるので、自覚症状がなくても、行っておいた方がいい。ということも映像を見ているとわかります。

寄付先についての説明もありました。来た人たちはここで全員見るのですから、金を出す気は毛頭なく、HIV対策の足を引っ張るだけの社会のダニのようなクレーマーたちに寄付先を知らせる必要など本来はないわけです。

STD(性感染症)とダニの如きクレーマーは社会の敵です。退治しましょう。

 

 

ありがたくてありがたくて涙が出るイベント

 

vivanon_sentenceこの映像を見ていて「あ、そうだったのか」と気づいたことがあります。

 

 

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