努力は報われたか?—目指せ!普通の人 3-[ビバノン循環湯 209] (松沢呉一) -3,515文字-
「子どもはまだ赤ちゃんです—目指せ!普通の人 2」の続きです。これが最終回。
いつも一人で処理してました
彼女はすっかりうち解けていて、こんな話を教えてくれた。
「私ね、もう離婚しているようなもんなんだ。別居して、あとは手続きをするだけ」
夫に女ができたそうだ。
「それまではよかったんだけど、全然セックスがなくなったんですよ。でも、私だってしたいじゃない? 妊娠中にこっちから求めてしたことがあったのが最後。だから1年半くらいセックスしてないの」
子どもが産まれてから間もなく別居。
「意地があるから、お金なんていらないって言っちゃったんだけど、貯金なんてほとんどないから、すぐに困っちゃって。平日は子育てがあるから働けないじゃない? だから、今は日曜日だけ子供を親に預けて、ここに出ている」
「今日は欲求不満の解消になったね」
「はい、すっごいよかった。ここに来るまでは、いつも一人で処理していたんですよ。だって、男の人と知り合う機会もないし、子供がいるから、会う暇もないし。今は週に一回、出勤するのがすごく楽しみなんですよ。普段は人と話すこともないから、人恋しくなる。でも、いつもイケるわけじゃないから、そういう時は次週に持ち越し。今日もまだイッてなかったから、また来週かなって思っていたところだったの」
彼女はリラックスした表情と口調でそう勢いよく話した。
「この一週間分はたっぶりしたね」
「うん。ホントに気持ちよかった。今日はぐっすり寝られそう」
「来週の分もしておく?」
「もうおなかいっぱい」
逃げようとする彼女の足を広げ、強制クンニをする。 「もうダメだって」と言いながらも、すぐに「アーッ」と声を出す。
「もう無理。でも、気持ちいい。どうしてこんなに感じるの?」
「溜まっていたからじゃないか。全部出して感じていいよ」
「ホント? じゃあ、もっと感じさせて!」
私の頭に手をやって「イクッ、イクッ」と体を震わせた。
※大宮小動物園のコモンリスザル
もうちょっとして
私は彼女を抱きしめようと体を起こした。彼女も上半身を起こして、慌てたような口ぶりでこうねだった。
「ねえねえねえ、まだ気持ちがいいから、もうちょっとして」
とまらなくなったかな。
この時はわずか30秒くらいでイッた。
「あのね、さっき、中途半端なイキ方したの。ちょっと残ったみたいなカンジがしたからすっきりしたかった」
「すっきりした?」
「うん」
彼女はホントにすっきりした表情をしている。
このあと彼女の攻めになったのだが、体に力が入らない状態だったため、体を横たえたままフェラをしてもらってあっさり終了。
ベッドから降りる時に、彼女はふらついた。
「足がヘン。カクカクしている」
シャワーを浴びるが、立っているのも精一杯といった様子で、私が体を洗ってあげる。
「オレはいいよ、どうせあとは帰るだけでから、適当で」
「ありがとう。ごめんね」
告白タイム
彼女は洗面台に向かい、私は下着だけをつけ、ソファの横にあったバッグの中からノートを取り出して準備をする。
タオルもつけず、裸のまま、こちらに近づいてきた彼女に言った。
「あのさ、話は聞いていると思うんだけど、これ、取材だったんだよ」
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