松沢呉一のビバノン・ライフ

『閉じられた履歴書』登場人物リスト—兼松左知子著『閉じられた履歴書』のデタラメ・資料編-[ビバノン循環湯 217] (松沢呉一) -17,773文字-

「兼松左知子著『閉じられた履歴書』のデタラメ」を読む際の副読本みたいなものです。本腰を入れてあの本を批判するに当たり、まず作ったのがこのリストでした。

これを眺めると、「いかに古い話が多いのか」がわかりましょう。少なからぬ例が、売防法によって売春業が地下化し、暴力団支配が進んだことの弊害だろうと推測できます。とんだマッチポンプ。

の本を読む時には「いつの話なのか」をつねに意識しておいた方がいい。戦後間もない時期のものと、ヘルスなどの新風俗が出てきて以降のものとを峻別しておかないと、とんだ勘違いをします。

 

 

 

『閉じられた履歴書』登場人物リスト

 

人物の通し番号の次の三桁の数字は単行本のページ数を示します。「昭和●●年」は、ほとんどの場合、著者が最初に対象者と会った年で、年齢はその時点のものです。

「*」以下は、一読した段階での松沢のコメント(この本は前に一度読んでいるのですが、改めて批判するために読み直した際に「一読した段階」です)。原データ自体、相当に手を加えられている可能性が高いのですが、それでもなお、著者の見方がいかに偏向しているかがよくおわかりになっていただけようかと思います。とくに問題のないものまでいかにも問題があるかのように扱い、性風俗で働いていても、問題はそこにあるのではないものまで性風俗の問題かのように扱う。そうしないと婦人相談員という食い扶持を失うためです。

原稿を書く前に、このリストを作ったため、文章が本文と重複している箇所があることをお断りします。

 

 

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