松沢呉一のビバノン・ライフ

10年前の忘年会での出来事—酒に薬物を入れられた? 予告編- (松沢呉一) -2,067文字-

このあと、10年ほど前に起きた「事件」についての原稿を循環します。その前文が長くなったので、予告編として独立させました。

 

薬物なんて使う人がいるの?

 

vivanon_sentence今回循環する原稿は、ある男が酒に薬物を入れた可能性があるという内容です。

このケースでは、警察は親身になって対応してくれたと聞いています。担当によりけりでしょうけど、そういう警察官も当然います。

官邸子飼のジャーナリスト山口敬之の件で、現場で頑張っている警察官たちでも腹を立てている人たちはいるでしょう。所轄が捜査して、逮捕状までたどり着いたのに、上層部が潰したとあっては志気が落ちます。担当者には同情しますよ。所轄は日頃の鬱憤もありましょうから、警視庁に殴り込みをかけるというなら協力するので、共謀しようぜ。その代わり、私が官邸に殴り込みをかける時は協力頼む。

山口敬之が薬物を使用したかどうかについてはなお不明であり、これについては第三者が検証のしようもないので触れる必要はなく、逮捕状まで出ていながら潰したことに絞って批判していけばいい。

小出恵介の話とは全然違うレベルの話。鳥越俊太郎とも全然違うレベルの話。これらについては中身を検証して、事実関係がおかしくないか、それが非難されるべきかどうか、法的にどうなのか、金目当ての告発ではないのかなどの判断をする必要があって、そういった検証をひとまとめにして「セカンドレイプ」などと否定するのはおかしい。否定すべきものもあるとして。

対して山口敬之の件では、その検証を警察が済ませていて、あとは検察の判断、裁判所の判断を待てばいいはずなのに、それを潰した。よって、薬物云々について検討をする必要もないのですが、こういう事件があると、「ドラマや小説ではあるまいし、酒に薬物を入れるなんてリスクの高いことをするかな」との疑問を抱く人がいるかと思います。

薬物を入れているところを見られたり、違法に薬物を所持していればアウトであり、それだけで罪に問われ、社会的信用を失い、人生おしまいですよ。テレビで政権のおべんちゃらを言って小遣い稼ぎをすることもできなくなる。そんなことをするかと疑うのも当然でしょう。

しかし、どうやら、こういう人たちが実在しているのです。酒を飲む人は脳が破壊されて判断力を失っているので怖いですね。山口敬之が薬物を使用したかどうかなお不明としても、どこにこういうヤツが潜んでいるかもわからないので、注意しましょう。

※舞台となった歌舞伎町の夜明け

 

 

クスリを入れられたと思ったらやるべきこと

 

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10年前のこの事件では、私自身、参考人として警察に呼ばれる可能性があったので、その記録をとり始めました。

一応は解決しているのですが、こういうことをするヤツは繰り返す可能性があり、なおかつ、こういうヤツは世の中に相当数いるようです。デリヘル嬢の知人でもやられたのがいます。相手の用意した飲み物には手をつけないのが賢明ですし、席を外さないようにした方がいい。

といった注意を呼び掛ける意味もあって、その記録を読物として書き直してメルマガで公開しました。

この際に、薬を入れられた可能性のある栄子さん(仮名)は「私の名前も、相手の名前も出していい」と言っていました。それをすると逆上して、また何かしてくるかもしれないのですが、それでも彼女は許せないのです。

しかし、薬を入れたことについては、はっきりと証拠までつかめたわけではなく、よって警察も動けなかったため、実名は出しにくい。

彼がやった違法行為、不法行為については確定している部分があるので、そこまでは書いてもいいとして、実名を出すなら、クスリのことは書かない方が無難。そこで、ここでは個人の名前を伏せて、彼がクスリを酒に入れたことについても、あくまで「その可能性があるが、確証はない」という範囲で触れておきました。

 

 

もしクスリを入れられたと思ったら

 

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中に書いてあるように、それ以前にも彼が問題行動をやらかしていたことについては証言を得ているのですが、その後どこかで問題を起こしたという話は聞かないので、これで懲りた可能性もあり、だとするとこれ以上追及する必要もないでしょう。

しかし、クスリを入れられた可能性がある場合に、「すぐに病院に行って薬物検査をすればいいではないか」と考える人たちに対して、そんな簡単ではないことを知ってもらうために「ビバノン」でも公開することにしました。

 

尿検査、血液検査だけでは不十分、それ以前に病院に行ったところで簡単に薬物検査はしてもらえないのです。

 

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