松沢呉一のビバノン・ライフ

個室ビデオ愛用者から-ズリネタ調査報告 9[ビバノン循環湯 328] (松沢呉一) -2,642文字-

カネヤマシン再び-ズリネタ調査報告8」の続きです。

 

 

 

個室ビデオの愉しみ

 

vivanon_sentence常連の大川重臣さんからも、ズリネタのメールが送られてきました。

 

 

私はよく個室ビデオ店にヌキに行きます。行きつけの店もう10年以上通っていて、その間、従業員は3人しか変わっていません。最初にいた男は若いアンちゃんで、いかにもチンピラという雰囲気でした。気分の波が大きく、とても愛想がいいかと思うとなんでもないことで客を怒鳴りつける日もあり、その変化も楽しみのひとつでした。

次は初老の男に変わりました。この人は元客だった人で、マニアっぽい雰囲気があり、性格は穏やかでした。でも長くは続かなかったですね。

今いる男は、ときどきビデオを持ちこんでワープロでリストを作っていた人で、最初のアンちゃんの兄貴分じゃないかと思われます。

店内には個室が5部屋あり、それぞれに長椅子を倒した程度のベッドが置かれ、足もとの方にテレビとビデオ、頭の側にティッシュの箱とサービスの煙草(ハイライト)とライターが置かれています。だいたいどの部屋も同じ広さですが、店員のいる小部屋の脇にある部屋だけが異常に狭い。ここに入るのは嫌でしたね。

ビデオリストはおおまかに旧作と新作にわけてファイルされており、ファイルの中にジャンルごとの表示もしてあります。ジャンルはレイプ、獣姦、ロリータ、SM、盗撮、スカトロなど幅広く、AVの制作会社のものだけでなく、いかにも非合法での撮影といったものも混じっています。AVにしてもすべて裏物なので、非合法に変わりはないわけですが。

通常、ファイルは日本の作品が渡されますが、「洋物」と言えばアメリカやヨーロッパのポルノビデオのリストをもってきてくれます。ただ洋物は一巻の時間が長いためか、混雑時には嫌な顔をされることがあります。私も洋物は好みませんが、たまに気分を変えて観ることがあります。

アメリカ物は出演者が多く、したがってひとりくらいは好みの女が登場するし、舐めるシーンもたっぷりあり、アナルへの挿入も必ずといっていいほどありますから、ヌクには無難です。

難しいのはヨーロッパ物です。こっちはときどきとんでもないものに当たってヌケないことがあるのです。アメリカと比べてはるかに性表現の幅が広く、汚さを追及した前衛作品みたいなものや美人が登場しない中年者だらけのSM作品を選んでしまうと、もうどうやってもヌケません。小便を口にためておいてから飲ませたりするのも苦手です。

ですが洋物ではときどきストーリー物にいいものがあり、アメリカかヨーロッパかはっきりしませんが、「不思議の国のアリス」のポルノ版はよかったですね。女優さんが切なくなるくらい可憐で、性表現は穏やかでしたが、可憐な娘がフェラチオするシーンでは気持ちよくヌケました。

アメリカ物の「ドラキュラ」もよかった。女がソーセージをわざわざ口に出し入れしながら食べるのをドラキュラ伯爵が見て顔をしかめる。すると女から「ベジタリアンなの?」と訊かれたりして、なんだかほのぼのとしたドラキュラが笑わせてくれたし、ふたりがかりのフェラチオで徹底的にイカせまくるシーンがあったり、アメリカ物にしてはねっとりとしたことろがあって楽しめました。

日本のものでヌケないのはモノホンのロリータです。犯罪現場の実写を見ているわけで、これはダメです。ただ私は基本的にAVの裏しか観ないんです。いろいろあるんだからいろいろ観ればいいのですが、ヌクことが大前提なので、私にとって苦手なレイプ物やロリータ、SM、スカトロなどは金がもったいなくて観る気になりません。料金は1本、2000円です。10年間、この料金は変わっていません。

 

 

ふーん、知らない世界です。覗いてみたことはありますけど、ビデオボックスは一度として利用したことがないのですよ。

 

 

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