「大ハイカラ」とは?—女言葉の一世紀 58-(松沢呉一) -2,340文字-
「なぜ退学する生徒が多かったのか—女言葉の一世紀 57」の続きです。
比美子ねえちゃんの夢
このところ、女学生のことで頭がいっぱいだったため、夢まで見ました。
京都のおばあちゃんの家に行きます。小学校の時に行ったきりなので、場所がわからず、適当に歩いていたらおっちゃんがいて立ち話をします。
私は小学校の時の経験を話します。
「近所のきれいなお姉さんが遊んでくれたんですよ」
「名前は覚えている?」
「えーと、姫子だったかな」
「姫子じゃなくて、比美子でしょう」
「そうだそうだ、比べられるものがないくらい美しいって名前」
「比美子ちゃんは本当にいい子だったよ。女学生で社会進出するのにもっともいい人材だったんだけどね」
その言い方からすると、どうもそのあと亡くなったらしい。その話を詳しく教えてくれるというので、古い一軒家に入るところで目が覚めました。
夢の中の記憶では、比美子ちゃんは袴姿でした。ワシは明治生まれか。
※図版は明治時代の営業写真です。七五三ぽい。子どもでも袴。女学生がそれまで男の衣装だった袴をつけるようになって、女児のおめかしの衣装になったのかもしれない。
大ハイカラの玉野こし子さん
ここまで見てきた女学生の生態をさらに理解できるエピソードをこれ以降出していきますが、まずは小咄を。
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