松沢呉一のビバノン・ライフ

初めて生で見た陰毛[4]-毛から世界を見る 45- (松沢呉一) -3,043文字-

初めて生で見た陰毛[3]-毛から世界を見る 44」の続きです。

 

 

 

湯温の好み

 

vivanon_sentence前回書いたように、スーパー銭湯は湯温が低めに設定されていることが多いのですが、その点、スーパー銭湯ではない普通の銭湯は、リニューアルになっても熱い湯のところが多いんですよ。熱い湯の銭湯には熱い湯が好きな客が集まってますから、リニューアルしても、そのお客さんたちを裏切れない。

私にとっては湯温が重要なので、その趣味を出すと、44度から45度の浴槽のある銭湯が上位に来てしまい、他がどんなによくても湯温の低い浴槽しかない銭湯の評価は低い。

しかし、湯温が高いのは苦手な人も多く、43度でも入れないって人がいるので、この基準で高得点の銭湯は勧めづらかったりもします。ホントに「いい銭湯」なんて人それぞれっすね。

43度以上の浴槽しかない銭湯もよくあります。浴槽はふたつに分かれていても、下がつながっているため、ほとんど湯温の差がつかない。とくに下町によくあります。熱い湯が好きな私でも、まずは低い温度で体を馴らしてからじゃないと、熱い湯には入りにくいので、はっきり湯温の差がある複数の浴槽があるのがベストです。

腹が立つのは、「全部の浴槽に入りたい」と思う人が熱い湯設定の浴槽に水を入れてしまうことです。湯温で浴槽を分けている意味がなくなってしまいます。熱さに存在意義がある浴槽に水を入れたら、全部の浴槽に入ったことにならないのですから、ぬるい浴槽に入っていればいいだけなのに。

よく「水を入れたら、じいちゃんに怒られた」って話がありますが、怒るに決まってますよ。浴槽を分けてない場合は水を埋めるのもありですけど、分けてあるのに水を入れるのがいるのです。あれも「自分にとっての熱すぎる湯は誰にとっても熱すぎる湯」という思い込みなのだろうと思います。自他の区別がついてない。

でも、ボイラーが老朽化すると湯温調整ができなくなるため、湯温が上がり過ぎて、常連さんがドバドバと水を入れていることもあって、この辺は常連客に従うのがよかろうかと思います。

※足立区にある煙突。ここはもう廃業していて、煙突だけ残ってます。時々見かけますが、取り壊すのに金がかかるのだろうと思います。

 

 

新大久保・万年湯の魅力

 

vivanon_sentence新大久保にある万年湯は昨年リニューアルになって以降、よく行きます。リニューアル前もたまに行っていて、その頃も高度成長期タイプで悪くなかったのですが、リニューアルで格段とポイントが高くなりました。電気風呂はもちろん揉兵衛タイプですが、これはよくあることなのでたいしたポイントにはなりません。

ここは露天風呂があるわけではなく、洗い場が広いわけでもないのですが、熱い湯の浴槽があります。湯温は人がどれだけ入るのかによっても違ってくるのですが、45度くらいに設定されているはず。あれ以上になると辛いですが、私にとってはギリギリ「いい湯」の範囲で、行けば必ずこの浴槽に入って幸せになります。そこが第一のポイント。

サウナはないですが、水風呂が大きくて、壁に囲まれているいい空間です。夏場は熱い湯に入って最後に水風呂に入ってシャキッとするのが定例です。これが第二ポイント。

ここは軟水を使用。銭湯巡りをし始めた当初は「井戸水だの軟水だの言われてもわかんねえよ」と思っていたのですが、軟水に関してははっきりわかります。だから気持ちいいというわけではないのですが、体が温まるのです。そんな気がするだけですけど、気持ちは大事です。第三ポイント。

そして、第四ポイントは客です。どの時間帯に行っても混んでいるのですが、いろんな国の人たちがいて、日本語と中国語と英語とネパール語が飛び交っている銭湯はなかなかないかと思います。

新大久保と言えば韓国ですけど、韓国人ばっかりってことでもない。来ているのは観光客が多いためだと思います。新宿に来たついでに寄って、そのあとゴールデン街に繰り出すパターンです。

たまに若い韓国人の集団が来ていることがありますが、彼らも観光客でしょう。韓国にも銭湯はありますけど、日本のも一回体験したい気持ちはよくわかります。この間も、韓国人の若い集団が電気風呂に入ってキャッキャッ言ってました。そういえば韓国の銭湯には電気風呂がないかも。つうか、韓国は浴槽に入ることよりサウナを重視って感じです。

白人、黒人もよく来ていますが、驚くほどチンコのデカい人は見たことがありません。

日常視点で高得点の銭湯であるとともに、観光視点としても特色があります。

※万年湯の写真が見つからなかったので、なんの関係もない荒川区の梅の湯です。

 

 

リニューアルオープンの萩の湯に注目

 

vivanon_sentence鴬谷と日暮里の間にある萩の湯は、しばらく休業していて、そのまま潰れるのかと思ったら、銭湯仲間から「リニューアルした」との情報が入って、先日行ってきたのですが、ここも「日常視点」で素晴らしい。確実にまた行きます。

 

 

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