松沢呉一のビバノン・ライフ

初めて生で見た陰毛[6]-毛から世界を見る 47- (松沢呉一) -2,289文字-

初めて生で見た陰毛[5]-毛から世界を見る 46」の続きです。

 

 

いい銭湯は自分で探せ

 

vivanon_sentenceここまで書いてきたように、結局、「どこの銭湯がいいか」は自分で決めることです。その基準は自分の中にしかないんですから、まずは自分の評価軸を探すしかないし、他人にはわかりようがない。

自分がいいと思った銭湯はどこを基準にそう思ったのかを考えればいいだけ。運良く湯船に浸かっている時は考える時間がたっぷりあります。

ここでは「観光視点」「日常視点」「ハッテン視点」を出しましたが、この分類自体、私の基準ですから、それとは違う視点で見ていけばいい。私の場合、ほかに「ヘビ視点」というのがあるのですが、到底理解されないので省略。ちなみに今まで「敷地内にヘビがいたことがある」という銭湯はありましたが、洗い場、脱衣場に出たケースは皆無です。いちいち聞かないので、あるとしても知りようがないですが。

私は湯温の高い風呂にサッと入ってサッと出るのが好きですが、入り方の好みはいろいろで、湯温の低い風呂に長時間入るのが好きな人もいます。

軟水はわかるとして、井戸水は違いがわからないのですけど、井戸水にこだわる人もいます。井戸水はそのままでは使えず、消毒用のカルキを投入しているため、カルキ臭が強いことがあるのですが、それでも井戸水がいいらしい。

まして薪か重油かなんてまったくわからないですけど、そこにこだわる人もいます。

私はたまにしかサウナに入らないですが、サウナが絶対的基準の人も当然います。サウナが好きな人の中には水風呂にこだわる人もいます。低温がいいとか、やっぱり井戸水がいいとか。

一時肩凝りがひどかった時に私もマッサージチェアをよく利用してましたが、軽くトレーニングができる部屋まで併設されている銭湯もあって、それが魅力と感じる人もいるでしょう。

私は酒を飲まないので関係がないですが、休憩所でテレビを観ながら生ビールが飲める銭湯もあります。また、近くの安い飲み屋でいっぱい引っ掛けるのを楽しみにしている人たちもけっこういるらしいですね。風呂と酒がワンパック。

私は歩き回ることとワンパックで、腹が膨れると歩く気がしなくなるし、風呂から出るとグッタリしてしまうので、銭湯に行く時はあんまり前後に食わないですけど、ラーメン屋巡りとパックにしてもよさそうです。

車で回る人は駐車場のあるなしも気になるでしょう。

天然温泉の銭湯は人気がありますが、東京の天然温泉でも、黒湯ではないところもあって、そういった違いにこだわる人もいます。

北野湯の例を出したように、おばちゃんがいい、おじちゃんがいいということもあります。時折、偏屈っぽい無愛想な人もいますが、客商売ですから、話し好きな人が多く、話しかけてみると、また楽しみが増えます。

萩の湯がリニューアル・オープンしたことを教えてくれた知人は編集者なのですが、彼は休みの日に子どもと一緒に銭湯巡りをしていて、公園や遊園地など子どもが遊べる施設と銭湯がワンパックです。

 

 

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