松沢呉一のビバノン・ライフ

アートにおける脇毛表現史[2]-毛から世界を見る 51- (松沢呉一) -2,124文字-

アートにおける脇毛表現史[1]-毛から世界を見る 50」の続きです。

 

 

 

ヴィーナスには脇毛がない

 

vivanon_sentence前回に続いて写真作品を見ていただきましょう。

 

以下は1853年の作品。日本では黒船来襲で大騒ぎです。

 

Julien Vallou de Villeneuve「Female Nude, Reclining, in Profile」

 

これも脇毛が生えてます。

次の写真。

 

 

Julien Vallou de Villeneuve「Reclining Nude」

 

写真に1939と書かれていますが、おそらくこれは写真のナンバリングで、メトロポリタン美術館の解説によると「1851–53」となってます。

拡大してもはっきりとはわからないのですが、陰毛はあって、脇毛はないように見えます。

このポーズは絵画のスタイルを模したものでしょう。

同時代のもので言えばこういうの。1875年の作品です。

 

Alexandre Cabanel「The Birth of Venus」

 

あれ? 脇毛がない。たまたま脇毛のないモデルを使ったからでしょう。

 

 

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