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【無料記事/レポート】FC東京対ロアッソ熊本/FC東京対ファジアーノ岡山◆レポート、リザルト、ニュース(2014/02/17)

◆ニュース
2月16日に負傷した米本拓司の診断結果が「右肩関節脱臼、全治約4週間」と発表された。

◆練習試合リザルト

2014年2月17日 11:00キックオフ 都城高城運動公園
FC東京 対 ロアッソ熊本

【東京先発メンバー】塩田仁史(GK)、松田陸(右SB)、加賀健一(右CB)、吉本一謙(左CB)、椋原健太(左SB)、野澤英之(アンカー)、羽生直剛(右IH)、幸野志有人(左IH)、石川直宏(右WF)、河野広貴(左WF)、平山相太(CF)
【東京後半メンバー】塩田仁史(GK)、椋原健太(右SB)、吉本一謙(右CB)、マテウス(左CB)、太田宏介(左SB)、高橋秀人(アンカー)、羽生直剛(右IH)、幸野志有人(左IH)、石川直宏(右WF)、武藤嘉紀(左WF)、渡邉千真(CF)

【熊本先発メンバー】畑実、黒木晃平、園田拓也、矢野大輔、山崎侑輝、ファビオ、森川泰臣、橋本拳人、仲間隼斗、高橋祐太郎、齊藤和樹

<青>FC東京 1-1(1st:0-1)ロアッソ熊本<赤>
【得点者】園田拓也(前半31分=ロアッソ熊本)、渡邉千真(後半28分=FC東京)

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2014年2月17日 13:00キックオフ 都城高城運動公園
FC東京 対 ファジアーノ岡山

【東京先発メンバー】権田修一(GK)、徳永悠平(右SB)、マテウス(右CB)、森重真人(左CB)、太田宏介(左SB)、高橋秀人(アンカー)、東慶悟(右IH)、三田啓貴(左IH)、渡邉千真(右WF)、武藤嘉紀(左WF)、エドゥー(CF)
【東京後半メンバー】権田修一(GK)、徳永悠平(右SB)、加賀健一(右CB)、森重真人(左CB)、松田陸(左SB)、高橋秀人(アンカー→後半20分:野澤英之)、東慶悟(右IH)、三田啓貴(左IH)、河野広貴(右WF)、武藤嘉紀(左WF→後半26分:平岡翼)、エドゥー(CF→後半17分:平山相太)
※後半21~22分頃から4-2-3-1に布陣変更

【岡山先発メンバー】中林洋次、後藤圭太、竹田忠嗣、近藤徹志、石原崇兆、仙石廉、千明聖典、田所諒、清水慎太郎、押谷祐樹、林容平

<青>FC東京 1-2(1st:1-0)ファジアーノ岡山<濃紺>
【得点者】三田啓貴(前半18分=FC東京)、荒田智之(後半40分、45分=ファジアーノ岡山)

 

練習試合専用の青いユニフォームに身を包み、ピッチへと姿をあらわした第一試合の先発メンバー

練習試合専用の青いユニフォームに身を包み、ピッチへと姿をあらわした第一試合の先発メンバー

◆練習試合レポート

FC東京は2月17日、第二次キャンプを実施中の都城高城運動公園にて45分×2本の練習試合を二試合つづけておこなった。対戦相手は第一試合がロアッソ熊本、第二試合がファジアーノ岡山。なお第一試合には熊本に期限付き移籍中の橋本拳人とFC東京U-18出身の山崎侑輝がそれぞれ4-4-2のボランチと左サイドバックで先発、第二試合には岡山に期限付き移籍中の林容平が3-4-2-1のセンターフォワードで先発している。

結果は第一試合が1-1、第二試合が1-2の1敗1引き分け。特に第二試合は最後の約五分間で不注意から立て続けに2失点し、東京は勝負弱さを露呈。まだ試行錯誤をつづけながら新しいサッカーの浸透を図っている段階というエクスキューズはつくが、課題の残る二試合となった。ただし、意欲的にマッシモサッカーに取り組むなかで生じたポジティヴなミスはその都度修正していく、というのが現在の状態。その意味では修正点があきらかになったと言える。

第一試合の後半45分間と第二試合の前半および後半の15~20分くらいまでは東京のペース、それ以外の時間帯は相手のペースト、良し悪しがはっきりと分かれた。
「いまは90分間、要求していることをこなすのは難しい。インテンシティ(強度)を保てる時間帯にはすばらしいプレーを見せてくれたと思う。奪われたゴールに関しては彼らの注意不足という別の観点から考えなくてはなりませんけれども、基本的には選手たちの理解度には満足している」と、マッシモ フィッカデンティ監督は言う。たしかに、結果の良し悪しは別にして、基本コンセプトを守りながら勝とうという意識はうかがえる。言い換えるとそれだけめざすものは選手間に浸透してきているということになる。そうだとするなら、やはり試合を重ね、課題を修正していくほかはない。

第一試合は前半序盤の10分間、強烈な熊本のプレッシャーに晒された東京が沈黙。その後ボールを握る時間もあったが全体的にはやはり熊本に押し込まれ気味のままだった。そしてその圧された時間帯の31分、セットプレーの流れから前線に残っていた熊本ディフェンダーの園田拓也にゴール左に豪快なシュートを叩き込まれ、東京は先制を許してしまった。前後半で完全にメンバーを入れ替える熊本が45分間カップ戦決勝のようなテンションで挑んできたせいもあるが、ペースを奪うことはできなかった。

 

林容平(ファジアーノ岡山)

林容平(ファジアーノ岡山)

橋本拳人(ロアッソ熊本)

橋本拳人(ロアッソ熊本)

山崎侑輝(ロアッソ熊本)

山崎侑輝(ロアッソ熊本)

 

東京は選手間の距離が空き、また約束事を守りポジションを維持しなくてはいけないという意識が強すぎるのか、攻守に人数が不足しがち。
守備に於いてはポジションをとってからぎりぎりでカバーというテンポで最後のところは割らせないものの、守備陣形を維持しても防ぎきれないやや遠目からの強シュートに人と人の守備範囲のあいだを衝かれた恰好で失点してしまった。
攻撃が成功したのは平山相太が後方からの浮き球をタテ前方にフリック、これを河野広貴が拾い左に出た石川直宏に展開、そこから中央への折り返しを狙った場面など、センターフォワードにボールが入ったとき。それに4-1-2-3の陣形に沿った自然なサイド攻撃でウイングやサイドバックの攻め上がりを活かした場面にかぎられていた。
サイドバックの横を埋めにインサイドハーフが落ち、アンカーの横を埋めにウイングが落ちると全体的に押し込まれた感じになり、まだまだ4-1-2-3を活かしきれていないという印象のファーストハーフとなった。

後半はメンバー変更が功を奏した。椋原健太が得意の右サイドバックに出て躍動、クロスを上げる。ほかの選手と距離が空いていた平山相太よりも渡邉千真はほかの選手とよく絡み、あいだに顔を出し、ポジションをずらしながら連動の素地をつくる。両ウイングも前半より中に入って他の選手と絡み、中盤の選手はラインを高く保ち激しくプレッシャーをかけて自分たちのペースにした。基本ポジションを守りながらも、前半よりも自由に動いた結果、ダイナミズムが生じ、流動的なサッカーとなった。
得点場面は右の大外を駆け上がる椋原を囮に使いながら、羽生直剛が右の石川直宏にパス。石川が少し中に入ってドリブルし、ここからのパスを受けた渡邉が左隅に決めたものだった。

第二試合は対熊本戦後半のよさをキープして三田啓貴が先制ゴール。渡邊との相性がいい三田が、その渡邊からのパスを受けてのゴールだった。ずいぶんといい連携のゴールだと思って訊ねると、これはマッシモ フィッカデンティ監督に授けられたかたちだったと三田は言う。
しかしセカンドハーフの後半、寒さが増して観る側の根気も尽きかけた頃、左サイドの大外を衝かれて2失点。この日、一方のボールサイドに寄る守備のやり方を攻略され、逆サイドへの大きな展開に振り回され、何度となく左サイドを衝かれたことが遠因になっていた。
これは明確に修正しなければいけない事項だろう。

米本拓司が全治4週間と発表され、開幕戦に間に合うかどうか微妙になってきたが、しかしそれによって浮かび上がった中盤のタレントにあかるい兆しがある。三田はインサイドハーフのなかではもっとも得点に絡める選手だということを示したし、高橋秀人は一試合ぶん以上元気に走り回ってダイナミックなサッカーを演出した。羽生直剛、東慶悟、幸野志有人、野澤英之も含めてよりよいプレーを追求するミッドフィールダー陣。マッシモサッカーのカギを握るポジションだけに、彼らが意気軒高であることはじつに頼もしい。開幕に向け、ヨネ不在の不安を吹き飛ばすパフォーマンスを発揮すべく質を高めていってほしい。

ラインのウラに余裕のあるディフェンスで安定感を醸し出したマテウス

ラインのウラに余裕のあるディフェンスで安定感を醸し出したマテウス

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