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【史上最大の決戦直前無料記事/今週の小平】レポート◆対セレッソ戦前夜。ポポヴィッチ包囲網! 河野広貴、三田啓貴……かつての愛弟子たちが牙を剥く。そして太田宏介の逆襲ならぬ逆チューが!!(2014/04/18)

レポート◆対セレッソ戦前夜。ポポヴィッチ包囲網! 河野広貴、三田啓貴……かつての愛弟子たちが牙を剥く。そして太田宏介の逆襲ならぬ逆チューが!!

昨シーズンまでの愛弟子たちが堂々のリベンジ宣言だ。
育ててもらった恩もあれば、出場機会を逃しつづけた悔しさもある。愛憎半ばする胸中をまとめるなら、自ずと「いまは敵」との認識に到達する。
ならば答えはひとつ。ランコ ポポヴィッチ監督率いるセレッソ大阪を倒し、恩返しを果たすのみだ。

ルーキーイヤーの2013年シーズン終盤につづいた先発出場が今シーズンの「飛躍」につながっている三田啓貴は「プロで初めて試合に出たときの監督さんでしたし、キャプテンマークも一回、たまたまですけど(笑)、巻かせてもらった監督だから。感謝の気持ちはもちろんありますし、逆に試合に出られなかった悔しさもあります。すべてを含めて成長した姿を、もし試合に出られれば見せたい」と言う。

キャプテンマークは森重真人のもの。もしキャプテンマークが「交替」した試合があるとすれば森重が出場しなかった試合だ。
それは奇しくも長谷川アーリアジャスールがキャプテンマークを巻いて先発した2013年5月15日「Jリーグの日」国立競技場に於けるヤマザキナビスコカップ予選リーグ第6節FC東京対アルビレックス新潟戦でのことだった。前半27分に副キャプテンの長谷川が負傷して退くと、キャプテンマークは年長者の石川直宏へ。そしてゴールを決めた石川がお役御免で下がった82分から、キャプテンマークは三田のものになった。

いま立場は変わり、長谷川はランコ ポポヴィッチ監督とともにセレッソへと移籍。長谷川がつけていた8番は三田のものになった。
東西に分かれたプレーメーカーの雄が、味スタで勝負を決するときが来た。
「アーリアくんは……潰していきます」

二年間を雌伏して時の到るのを待つ期間と「させられた」河野広貴。その間に守備意識を植え付けられたからこそ、マッシモ フィッカデンティ監督の許で活躍できている面があることも確かだ。河野は自らに変身をもたらした恩師の指導に感謝している。
しかし。それでもだ。
「感謝はしているけど、悔しかったし、やっぱりムカつく思いもあるから。ムカついているからね、実際。嫌いじゃないし、感謝もしているけど、そういう気持ちがあるから、絶対に負けたくない」

「点の獲れるポジションになってよかったね。去年はボランチだったからね」と声をかけると、河野は笑った。
「忘れてたわ、いままで(苦笑)。ボランチだったこと忘れてた。そういえばけっこう、ガツガツ系だったな。そこもできるよ、という。幅を拡げてくれたからね」

願うはランコ ポポヴィッチ監督へのリベンジ、しかし直接戦うべき相手はもちろんプレーヤーだ。三田啓貴のライバルが長谷川アーリアジャスールなら、河野広貴のライバルは柿谷曜一朗。独創的なアイデアと優れたテクニックでゴールをマークする同年代のアタッカー同士、互いに負けられない意地がある。
「おれが二年間休んでいたみたいなものだからね。ライバルみたいな感じでもなくなってきた。でも、ずっとそうだけど、あっちのほうが上とは感じたこともない。J2で徳島とヴェルディでやっていたときもそうだったけど。久しぶりにやれて楽しみですよ」

フォルラン、柿谷曜一朗、南野拓実――スター軍団と騒がれるが、エドゥーを擁する東京の攻撃陣も負けてはいない。
直近のヤマザキナビスコカップ対ヴィッセル神戸戦でプロ初ゴールを記録した武藤嘉紀は言う。
「(セレッソの)前の選手は国を代表する選手ばかり。巧いのもわかるけど、すごいからって引いてしまっているわけではない。あっちを無失点に抑えてこっちが大量得点すれば、一気に(東京のチームと選手の)名前が出てくるだろうし。こっちにも(優秀な攻撃陣が)いるんだぞ、というところを見せないといけないなと思っています」

マッシモ フィッカデンティ監督は神戸を相手に3得点した攻撃の選手たちを信頼している。
「エドゥーも、去年からいる選手たちも、これまで勝点の獲れなかった試合でも非常にいいプレーをつづけてきたと思っている。大事なのは相手いかんで、ということではなく、自分たちの力というものをしっかりと自覚して、自分たち自身がいいプレーをすること」

とどめはこの男だ。どんな相手にも通用する、抜ききらないうちに撃つクロスを持つ男、太田宏介。
「あしたフリーキックのチャンスがあって点を決めたら、ポポにチューしに行きますよ! それが恩返しだと思います」
堂々の逆チュー宣言。ポポにとどめのキスを浴びせてくれ、コースケ!

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