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【コメントほか】ショートレビュー/選手の談話◆J1第15節東京対鹿島(2014/07/21)

ショートレビュー◆J1第15節東京対鹿島

90分間を通した試合運びの巧拙が勝敗につながり、FC東京の場合はそこが拙いために勝点を落としているということが、半ば通説になってきた。
その改善が今シーズンの課題のひとつだとするなら、試合巧者の鹿島アントラーズを相手に、彼らの頭を押さえつけるように先制し、後半の途中までリードしていたこと自体、進歩と考えていいだろう。それはヤマザキナビスコカップ第1節で同じ鹿島を相手に先制し、逃げ切った展開に似ている。
しかし逃げきれず、1-1に追いつかれて引き分けた。

何がちがうのかと考えたときに、決定力=得点力の問題が浮上するのは当然なのかもしれない。ナビスコでは3-1の勝利。リーグ戦では1-1の引き分け。
1-0で閉じるべき展開の試合で失点してしまったことのインパクトが大きく、そこに試合運びの拙さを見出すことは容易だが、ナビスコのときは序盤で2点を奪っていた。そして後半に追加点。1失点をしても余裕があった。
ナビスコとのちがいはスコアのちがい。それも先行する時間帯の得点の多さだ。

前半にエドゥー、後半に武藤嘉紀が、この試合最大のと言ってもいい決定機をそれぞれ決めていれば3-1になっていた。そう考えるなら、直接の責任がある武藤が反省するのみならず、森重真人までもが決定力を口にするのも納得はできる。試合運びのうえで、もっと得点しなければならなかった、ということだ。

とはいえ、鹿島を相手に1-0で勝つ姿を見たかったと思う。応援する側の欲目なのかもしれないが……。

もうひとつ、どれだけ論理的にゲームプランを詰めていってもばくちの部分が残るのも確かだろう。終盤の時間帯を守りきれるかどうかは体力的な準備、戦術的な準備ももちろん関係するが、スタミナの消耗が激しければ守備の集中力を保てる保証はない。オープンな状況でピンチとチャンスが交互にやってくる状況で、天秤は鹿島に傾いた。

その不確実性を減らすためにも、準備が必要だ。しかしそれは一朝一夕に、とはいかない。牛歩に映るかもしれないが、時間はかかる。
とりあえずは半歩前進。もう半歩を詰める速度はゆっくりとしたものになるのかもしれない。それでもこの歩みは止めてほしくない。試合運びで相手をねじふせ、あるいははぐらかす、強い東京の実現に向けて練習をつづけてほしい。

 

 

選手の談話◆J1第15節東京対鹿島

 

◯武藤嘉紀の談話

後半に(東)慶悟くんからスルーパスが出た場面では、かなり落ち着いていたんですけれども、もう一個、キーパーの動きを見なければいけなかったのかなと思います。2点目を決めていればあそこで試合終了だった。申し訳ないと思っています。

自分はまだ一年目で、鹿島との相性とかはまったく考えてはいなかったのですけれど、きょうに関しては前半から決定機もありましたし、相手に決定機があったかと言えばそうではない。きょうは勝てる試合を引き分けに持ち込まれてしまった。

(チーム全体では守りきろうと認識できていたのか?)うーんそうですね、認識はできていたんですけれども、最後にああやって隙が生まれてしまったのはたしかなので。そこで1-0で締めるか、1-1で終わるかが、これから先のリーグ戦も大事になってくる。きょうは終わってしまったことなので、次の試合からみんなで気をつけたい。

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