【今週の小平】コラム◆いま8番と9番を応援する/三田啓貴、渡邉千真[1,957文字](2014/09/17)
コラム◆いま8番と9番を応援する
現在、FC東京のベンチを見渡したとき、最初に名前が上がるのは梶山陽平だ。
一発のパスで局面を変えられる能力を持つスーパーサブという扱い。故障から復帰後、コンディションが整えば起用されるだろうと思われていたとおりに、じょじょに出場機会を増やしてきている。
しかしこの10番の前には9番と8番がいる。試合展開次第では出場機会がないか、少ない。前節の対ヴィッセル神戸戦で渡邉千真に与えられた時間は約1分間だった。
渡邉千真と三田啓貴がサブスティテュートのリストにいるという事実は軽くない。
昨シーズン、よい連携で度々青赤ファンの埋めたスタンドを沸かせ、攻撃の主軸となっていた彼らは、今シーズンも開幕戦から第4節まで揃って先発していた。
ところがいまは先発に固定されていない。3トップのウイングか2トップの一角で起用される渡邉の競争相手はエドゥーと武藤嘉紀。インサイドハーフで起用される三田の競争相手は羽生直剛ということになる。
ロングボールを収める大型のフォワードがマストになっていて、平山相太が故障離脱中のいま、その役はエドゥーが担っている。戦術上は体格の点で渡邉が不利だ。3トップのときはウイングで出場機会があるが、2トップだと選から漏れる機会が増えてきた。
三田の場合、持ち前のシュート力を活かしてJ1第15節の対鹿島アントラーズ戦でゴールを決めても、先発の座を失った。第17節からサブにまわり、羽生が先発するようになった。マッシモ フィッカデンティ監督は「よい状態の選手を起用している」との発言を繰り返すだけだが、サポート、バランスをとる能力、ディフェンス力、スペースを消したりその逆につくったりする能力──が羽生を起用する理由になっていることは想像に難くない。三田もベンチから試合を見て、そこを身につけていかなければならないと気づいてはいる。
「もちろん、常に先発を狙っています」
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