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【マッチレポート】レポート/リザルト◆J1第25節FC東京対徳島ヴォルティス、FW陣4発大勝!渡邉千真今季2点めでとどめ!(2014/09/24)

レポート/リザルト◆J1第25節FC東京対徳島ヴォルティス、FW陣4発大勝!渡邉千真今季2点めでとどめ!

○リーグ戦13戦無敗でクラブ新記録を樹立と同時に久々の勝点3をゲット!
9月23日、全国各地でJ1第25節が開催され、勝点36で8位のFC東京はホーム味の素スタジアムに勝点12で18位の徳島ヴォルティスを迎えた。四連続引き分けからの脱出を狙う東京は前半33分に河野広貴のゴールで先制すると後半に3点を加え、4-0で快勝。勝点を39に伸ばし、この日敗れたヴィッセル神戸とサンフレッチェ広島を抜いて6位に浮上した。
東京は27日土曜日、柏レイソルを迎え、再び味の素スタジアムにてホームゲームを戦う。なお、来季新加入が決まり、現在2種登録選手としてトップチームに帯同しているFC東京U-18の佐々木渉が後半42分から武藤嘉紀との交替でフォワードとして出場、プロデビューを果たしている。

◯試合経過概略
三田啓貴が左足首の捻挫で離脱し、特に中盤が完全な選手不足に陥ったFC東京。この日はゴールキーパー権田修一、ディフェンスラインが徳永悠平、吉本一謙、森重真人、太田宏介、中盤が高橋秀人、羽生直剛、米本拓司、トップ下が河野広貴、2トップがエドゥーと武藤嘉紀と、中二日にもかかわらず前節とまったく同じ先発メンバーで試合に臨んだ。
前日の囲み取材でマッシモ フィッカデンティ監督が「ターンオーバーできる状況ではない」と言っていたとおり、中盤の選手は故障明けの梶山陽平と2種登録で帯同しはじめたばかりの高校三年生佐々木渉のみ。
最下位であとがない勝点12とあとがない徳島ヴォルティスは1トップの高崎寛之を軸に3-4-2-1の布陣で、マッシモ フィッカデンティ監督いわく「相手は3トップを前線に送ってきて同時に5バックを残すということでサイドチェンジがなかなかきかず、苦しい時間帯が、点が入らないうちはあるなと予想していたのですが、まさにそのとおりになったと思います」という戦い方をしてきた。
3バックの左右ストッパーにはFC東京U-18出身の藤原広太朗が入り、プレーするサイドが一致したときには武藤嘉紀とのマッチアップもあった。

ホームの東京が主体的に攻めようとするのはもちろん、徳島も専守防衛ではなく、比較的攻め合う展開に。前半27分、相手のパスミスからボールを奪ったエドゥーが徳島ゴールキーパー長谷川徹と1対1になり、絶好の決定機かと思われたが、ミスをした藤原広太朗にからだを当てられ、シュートは枠の外へ。
チャンスを逃した東京に対して徳島が強気になれるシチュエーションだったが、33分、自陣でボールを奪った東京は左にクリア、これに追いついた武藤は、カウンター気味にそのままボールを運ぶと中央やや右の羽生にパスを送り、羽生は右にいたエドゥーへのパスを選択。ここで、個人で突破を図るべくペナルティボックスの右をえぐったエドゥーに徳島守備陣の視線が集中してしまい、フリーになった河野がラストパスを丁寧に流し込んで、東京が先制した。徳島は東京のカウンターに対して帰陣が間に合い守備の人数は揃っていたが、右から進入してきたエドゥーに3バックのうちふたりが正対して背後をおろそかにし、マークについていた藤原もエドゥーに振り切られ、局面で東京が徳島を上回る恰好になった。
後半7分には藤原との接触からわかりにくいジャッジで得たPKをエドゥーが決めて2-0。安全圏に近づいた東京は後半28分にエドゥーを渡邉千真、同33分に河野広貴を梶山陽平、同42分に武藤嘉紀を佐々木渉に交替させながら2点を追加。後半32分に河野のパスを武藤(最後にマークについていたのは藤原だったが追いつけず)、同45分+1に梶山のパスを渡邉が決めてだめ押し。4-0で勝ち、上位5強に次ぐ6位へと浮上した。

○レポート
徳島は3バックまたは5バックで守りながら、左シャドー佐々木一輝や右アウトサイド大崎淳矢の突破力を活かして攻め込み、前に人数をかけたときにはじっくりとボールを保持しながらシュートチャンスをうかがう戦い方で勝利を狙ってきた。
この、勝点3を必要とするために、必ずしも自陣にベタ引きではない徳島の姿勢が、東京にとっては有利に働いた。徳島は前半15分に河野からボールを奪った徳島はパスを左右に振りながらじょじょに東京陣内に攻め込み、左アウトサイドのアレックスが中央の高崎寛之にクロスを入れたり、ボールを持てる濱田武を中心としたパスワークなどでチャンスをつくり、やはり前半の29分頃からも徳島が攻め込む時間帯がつづいた。その時間帯に東京の先制点が生まれた。
一度、31分から32分にかけて東京が攻め返したあと、再び徳島ボールに。これを自陣内で奪った東京がカウンター気味に攻めて、河野がフリーになる機会ができた。このカウンターにはもうひとつミソがある。クリアボールがタッチラインを割りそうなところ、武藤嘉紀が追いついて割らせず、そのままボールを運び始めたのだ。これには東京の選手も徳島の選手も一瞬、反応が遅れていた。東京攻撃陣がわずかな隙を逃さず、すばやいカウンターに転じていたからこそ徳島に守備を整えさせなかった。この局面にかけるシビアな姿勢、その度合いの差が明暗を分けたと言っても過言ではない。
マッシモ フィッカデンティ監督が「特にすばらしかったのは選手のメンタリティです。相手が最下位であっても首位であっても常に100パーセントを出そうと選手間でも言い合っていますし、チームの根本的な考え方として伝えてきたつもりですから、試合の入り方といい、試合中のプレーといい、すばらしいものを見せてくれた。チームにおめでとうと言いたいと思っています」と評価した一端がよくあらわれた得点場面だった。

とはいえ、まだ1点差。徳島に1-1に追いつかれる可能性はあったし、もし同点になれば引き分けすら危うくなっていたかもしれない。

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