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【レポート第二弾】レポート◆J1第30節ガンバ大阪対FC東京、難敵をかろうじて制御していたものの、困難な時間帯の失点を覆せず (2014/10/27)

レポート◆J1第30節ガンバ大阪対FC東京、難敵をかろうじて制御していたものの、困難な時間帯の失点を覆せず

 

ガンバ大阪は難敵だった。
FC東京はもとより4-4-2のチームを想定して4-3-1-2で守る練習をしているが、想定の範囲内に収めにくい相手だった。

高橋秀人も言っているように、東京の4-3-1-2は、トップ下の「1」、河野広貴が相手チームのドイスボランチを見ることになる。東京のインサイドハーフはサイドハーフ的なポジショニングで相手のサイドバックを見るので、単純に考えると相手4対東京3、中央部分で相手2対東京1だ。

河野がふたりのボランチを同時に見ることは不可能なので、たとえば相手のボールを持ったほうのサイドバックに近いほうのボランチへのコースを切って遠いほうのボランチは放置気味に対処したりする。近いほうのボランチを飛ばして遠いほうのボランチにパスが渡る可能性が高くないからだ。そのようにして臨機応変に対処していく。

しかしガンバのボランチは遠藤保仁と今野泰幸である。ここでボールを保持されるとなかなか奪えない。そして2トップとはいえ、宇佐美貴史はフォワードとボランチのあいだを浮遊するような、トップ下的なポジショニングをしている。
アンカーの高橋秀人が宇佐美をマークしたいところだが、宇佐美に行くと高橋がいるべきバイタルエリアが空き、そこを相手のボランチのうち、河野の注意を離れてフリーになるほうの選手が使うのは、高橋本人が試合後に語っていたとおりだ。

「自分が(宇佐美を)見すぎるとバイタルエリアはスカスカでそこにヤットさんとか今ちゃん(今野泰幸)が上がってくるし、大森(晃太郎)選手や倉田(秋)選手もボールを持てるし仕掛けられる選手なので、どうしてもチームとしてとらえどころがはっきりしなかった」(高橋秀人)

森重真人とカニーニは基本的にはパトリックを見ないといけない。徳永悠平と太田宏介はそれぞれ相手の両サイドハーフ、倉田秋と大森晃太郎を見る。ボランチふたりと宇佐美貴史を自由にさせないためには、河野広貴と高橋秀人のタテのラインにサイドバックのどちらかが入れ替わり加わるなどして流動的にチェックして動きを封じる必要があったが、これがかんたんではなかった。

相手の技術が高くなければ、東京の守備は相手の攻撃を受け止めることができる。しかし巧いパスで振り回され、巧いドリブルでひとり剥がされると、状況は不利になる。宇佐美貴史、大森晃太郎、倉田秋はそれぞれ高い個人技があり、ドリブルでするすると東京の選手のあいだをすり抜けてアタッキングサードへと侵入した。

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