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【オフ企画第二弾】羽生直剛で振り返る2014年/02「夏と秋、分かれた明暗」(2014/12/28)

昨日から始まったオフ企画第二弾の第二回。
シーズン半ばからインサイドハーフで多くの出場機会を得た羽生直剛選手にフォーカスし、2014年を振り返っていきます。
今回はこの一年全体に渡り、目を通しました。

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◆羽生直剛で振り返る2014年/02「夏と秋、分かれた明暗」

 

summer

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autumn

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シーズンを節目ごとに振り返る前に、この一年間をどう認識しているかを羽生直剛に訊ね、その変動を確かめた。

羽生は香港に行った頃に「かすりもしないな」という感触を持ち、それを抱えつつキャンプの期間を過ごした。開幕もメンバーに入るか入らないか当落線上という状況で、結局メンバー入りを果たせず、FC東京の2014年シーズンが始まった。
3月1日、Jリーグディビジョン1第1節の先発メンバーはゴールキーパーに権田修一、ディフェンスラインに徳永悠平、加賀健一、森重真人、太田宏介、ミッドフィールドに高橋秀人、三田啓貴、東慶悟、フォワードに渡邉千真、エドゥー、武藤嘉紀。サブスティテュートには塩田仁史、平山相太、河野広貴、石川直宏、吉本一謙、野澤英之、松田陸が入っていた。米本拓司は第2節からの参戦だった。
クサビを収める大型フォワードという分類には平山が該当してベンチ入り。ディフェンスというよりはクロスを買われて松田がサイドバックの控えとなり、センターバックに吉本、アンカーに野澤、攻撃的な選手に石川と河野と、機能的にも分担ができた構成だった。
センターバックのマテウスが開幕一週間前の練習試合対浦和レッズ戦(完全非公開)で負傷して長期離脱したことを除けばキャンプ中と大きな変動はなく、ベンチに羽生直剛の座る椅子はなかった。

「開幕を迎えるまで、やばいなこのまんまじゃ、という感じは、ずっといっしょでしたね。かすりもしないし」

序盤の三試合、完全に圏外だった羽生は、3月21日のJリーグヤマザキナビスコカップ予選リーグAグループ第1節に先発出場。つづく23日のJ1第4節では15分間の途中出場を果たす。それでも先発はならなかったが、ワールドカップによる中断期間が終わり、リーグ戦が再開して三試合めに、今シーズン初の先発出場を果たした。
ナビスコでの活躍がアピールになったのはたしかだが、チームとしても羽生個人としても浮揚するための契機となったのは、やはり夏の中断期間だった。

「前半戦にあまり勝てずチームが低迷した時期があり、ワールドカップによる中断があって夏に秋田へ行ったというところは、個人というよりは、チームとして“このままでは落ちるのではないか”という危機感がありました。ゆえに、チームを活気づけ、ひとつになろうと。中断明けの試合が大事ですから、そこに向けて集中していました」

前半戦の不振から脱却しようとチームが目標とするサッカーを習熟するキャンプの過程で、羽生自身のコンディションも上がっていった。

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