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【始動コラム第2弾】圍謙太朗、勝負へのめざめ「もっと熱を持って取り組まないと。ぼくがしっかりシオさんの抜けた穴を埋めます」(2015/01/23)

◆圍謙太朗、勝負へのめざめ「もっと熱を持って取り組まないと。ぼくがしっかりシオさんの抜けた穴を埋めます」

 

kakoi
シーズンオフにイタリアのボローニャへと“留学”した圍謙太朗。そこで受けた刺激は、競争意識を呼び覚まし、ルーキーイヤーへの反省を踏まえた自覚を促すのに十分だった。
「試合では、これ全部聞こえたら選手はやりづらいだろうな、と思いました。ちょっとしたミスで“死ねよ”くらいの感じで罵倒されるんです。命がけですね」

Jリーグのサポーターもそれなりに口の悪い者たちが揃っているが、イタリアのティフォージたちのの罵詈雑言はやはり日本の比ではないのだろう。欧州や南米のスタジアムにあふれる雰囲気、テンションの高さは別物だ。
ただしそれはプレッシャーのみならず、ぞくぞくするような高揚感も同居したものである。
フットボールとともにあるという感触、確信が、訪れた者を貫くのだ。

イタリア滞在中に驚いたのは、選手だというだけで、それが知られる前とは周囲の扱いがまるで変わってしまうということだった。
「イタリアでは選手だというだけでホテルの対応がちがいます。あるとき、ぼくがサッカーの練習に来ている日本の選手だということが、向こうの新聞に出てしまったんですよ。そうしたら“日本のジョカトーレなんだね”とホテルのひとが認識して、そこから対応が変わりました。送り迎えはどうされますか、と訊ねてきたり、無愛想だったのに話しかけてきたり、写真を撮ったり。このひとたちはほんとうにサッカーが好きなんだなと」

FC東京で短期間、GKテクニカルアドバイザーを務めたエルメス・フルゴーニは、いわば師匠。そのフルゴーニは圍が「ベンチにも座っていない」と告白すると「なんでおまえは試合に出ていないんだ」と、たいへんな剣幕で怒ったと言う。
「やらないとな、という気持ちです」

語学も勉強して成長した姿を見せられたらと圍は言うが、そこにもイタリアで体感した気風が影響していた。
「考え方がちがう。イタリアはプロはプロとして年齢に関係なく扱われるし、先輩後輩の関係はちょっとはありますけれども、選手同士でも対等です。(若い選手が)偉そうにしていると言ったら語弊があるかもしれないですけれども、堂々としている。そういうところは自分に足りないと感じたので、出していかないと世界に通用しない。異文化の地で言葉がわからない状態でやるとなると難しいのかなとも思いました。間近で見たぶん、早く行きたいという気持ちにもなり、言葉と技術の両方を上げていきたい、と」

ボローニャでこなしたメニューとはどのようなものだったのか。

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