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【今週の小平】コラム◆羽生直剛が若者に伝えたいこと(2015/08/28)

コラム◆羽生直剛が若者に伝えたいこと

羽生直剛、35歳。ことしの暮れには36の声を聞く、押しも押されぬ年長者だ。本人が常々言っているように、からだがちいさく、技術やスピードもスーパーという域ではない。しかしこの羽生が、高橋秀人、米本拓司とともに、中断期間明けの中盤でレギュラーを張っている。なぜ羽生がマッシモ フィッカデンティ監督の信頼を得て起用されつづけるのか。田邉草民、三田啓貴、橋本拳人、野澤英之、幸野志有人、中島翔哉、平岡翼らが羽生の後塵を拝しているのはなぜなのか。答えは基本的な心構えの差にあった。
そしてその差が実際のサッカーにも影響し、洞察力の差となってあらわれているのではないかと思わせる自身のチームについての分析と、そこから導き出される次節の試合展開。
一度、ミックスゾーンに立ち止まると、ロングインタヴュー並みの思考が漏れてくる羽生の、ある日の言葉を追っていく。

まず羽生は次節に対戦する清水エスパルスに対する警戒すべきポイントを語った。
「清水はメンバーを見たらいまの順位にいるチームではない。ハードワークできる選手、技術に長けた選手もいる。隙をつくってしまったらチャンスをつくられてもおかしくない」
その清水を相手に、有利に試合を運ぶためのポイントも提示した。
「勝点が必要なのは向こうのチーム。それ(相手が点を獲りに出てくる)を利用しながら隙を衝いていくことができれば自分たちのリズムになってくると思う」
前節の0-0の引き分けを受け、改善しなければいけない問題点についても、もちろん言及した。
「(失点を少なくできている)守備のところは特につづけることが大事。課題があるとすれば攻撃ですね。さらに多くのチャンスをつくらないといけない」

しかし守備を優先してまず相手によけいなスペースを与えないサッカーを志している東京であれば、攻撃に割ける時間はかぎられてくるはず。どのようにして質の高いチャンスをできるだけ数多くつくるつもりでいるのか。

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