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【無料記事】この思いよ、トップチームに届け。前節の初勝利を糧にあすの栃木戦に臨むU-23戦士たちの声(1)平岡翼「泥臭く勝ちをもぎ取りたい。J3にしろJ1にしろ、東京の試合には変わりない」(2016/04/30)

ホーム夢の島でガンバ大阪U-23と引き分け、初勝ち点を獲得、翌週さらにアウエーでガイナーレ鳥取を下し、チーム結成後初勝利を挙げ、FC東京U-23は意気揚々と小平に帰ってきた。不振がつづくトップチームとは対照的に、連敗スタートからの右肩上がり。表情はあかるい。
週の半ば、廊下でばったりと顔を合わせた安間貴義U-23監督は、勝利の喜びを語りはじめた。
「意識が揃ってきた。いかに全力で行って戻ってを繰り返すか、なんですよ。いまのぼくたちはこれをやらないと勝てない。やってもぎりぎりです。いままでは、やる前から怖がっていた。ぼくは(鳥取との)試合前、選手たちに言ったんです。怖がるな、恥ずかしがるな、と。負けるかもしれない、恥をかくかもしれない、J3で恥ずかしい……そんなことを思っていたら絶対に勝てない。いいプレーをする選手が勝つんじゃない。勝ちたい気持ちが強い選手が勝つんだ。責任はおれがとるんだから、みんな全力で恥をかいてこい。勝って(個々に)J1に上がればいい、って。チームになってきましたよ」

チームになること。それは本来、トップチームがU-23に模範を示すべき事柄だったはずだが、いまやU-23から発信するものになってきている。
ばらばらだった選手たちがチームになる。連動性のかけらもなかったサッカーが大きく変わりつつある。
0-1で勝った対鳥取戦を、平岡翼はこう振り返る。
「(ユ インスのゴールにつながるシュートを撃った佐々木)渉とはいっしょにいることが多くて、ふたりでガンバ(と引き分け、初勝点を獲得した試合)が終わったあとに「次、勝てる」という話をしていたんです。同じような話をちがうメンバーもしていたり、いい雰囲気、勝てる雰囲気を持ったなかで臨めた試合だったのかな、と思います。
(決勝点の場面は)林(容平)くんにスルーパスが入って、そこで一気に押し上げたところ、渉の落としを受けて。ぼくもその状態でペナルティエリア内にいましたし、(ユ)インスもなかにいて。ぼくもこぼれを狙っていましたし、そういった面ではいままでの試合にない、一次、二次、三次と、連続して畳みかけるような攻撃ができたからこそ、得点につながったのかなと思っています」

パスワークありきではなく、まず突撃してからのポゼッション。それがU-23の方針だ。個人でガンガン攻めるのは観ていて気持ちがいい。ただし、単騎突撃がぶつ切りになっているだけでは困る。連敗しているうちはそうだった。鳥取での東京U-23はそうではなかった。個々の突撃が実っていた。
「次、次、と連続していくプレーも増えましたし。いままでだったらセンタリングを上げてもそれが何もなくすり抜けたり、キーパーが弾いても誰も詰めていなかったりということが多かったんですけれども、連続したプレーが増えてきたので、ひとりで攻めているというより、みんなでいかに点を獲るか、みんなでサッカーができているな、ということをすごく感じた一戦でした」

安間監督が飛ばした檄に身を震わせた選手たちに、勝利へのこだわり、ファン、サポーターを含むクラブへの責任感が芽生えている。
「この二試合(対ガンバ大阪U-23、ガイナーレ鳥取)は、こまかいところというより、勝つ、とか、球際、とか、そういう根本的な気持ちの部分をテーマに掲げて。そういったなかで試合の流れを掴み、自分らの特長が活きてきたのかな、と思います。勝つということにすごくこだわっています」
あした(5/1西が丘)はいよいよホームで勝つところを見せたいね、と声をかけると、平岡は大きく頷いた。
「いや、ほんとうに。でも、いい流れのときこそ、気を緩めないでしっかりやって。この二戦でちょっとでも積み重ねてきたことを全面に出していけたらいいな、と。気持ちの部分であったり、フィニッシュを決めきるところであったり。絶対にやればできると思うので、ぼくたちは。だから、きれいにではなく、泥臭く勝ちをもぎ取りたい。それもいま、ファン、サポーターがいちばん思っていることなので。J3にしろJ1にしろ、東京の試合には変わりないので。しっかりと自分のためにも、チームのためにも、ファン、サポーターのためにも、がんばりたいと思います」

 

 

 

 

 

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