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【無料記事/対サガン鳥栖戦第3報】マッシモ フィッカデンティ監督(サガン鳥栖)試合後共同記者会見ノーカット「あまり大きくない街でも、しっかりとプログラムを立ててやるべきことをやっていけば、歴史をつくることができる」(2016/05/14)

【J1第12節】試合後はFC東京のコーチングスタッフ、選手たちと久々に再会、話が弾んだサガン鳥栖のマッシモ フィッカデンティ監督とブルーノ コンカコーチ。会見では懐かしいマッシモ節が響き渡った。ほぼノーカットでお届けする。

◯総括

こんばんは(※日本語で)。

ボナセーラ、トゥッティ。
みなさんこんばんは、お久しぶりです。
きょうの試合は互いにスペースをつぶし合うバランスのとれたものになりました。前半のいちばん最後、高橋(秀人)選手(※「タカハーシ」と発音)のシュートがクロスバーを叩いたところから連続してピンチとなった場面では、ペナルティエリア内でドリブルしたというわたしたちのミスもあり、一瞬気が抜けてしまったようになりましたが、そこを除けばお互いにほぼシュートチャンスのない試合になりました。ただ、互いに何もなかったというわけではなく、スペースをつぶし合って戦った試合だったと思います。
自分が昨年ともに戦った選手がFC東京に多くいる、ほとんど自分が知っているチームだったのですけれども、彼らがどれだけ堅いディフェンスをして、それを崩すことがいかに困難かわかっていました。試合前には最後まで気持ちを込めて戦うよう伝えていましたが、気持ちを切らさずによく戦ってくれたと思います。繰り返しになりますけれども、お互いにチャンスの生まれない試合でしたが、全体としては互いに気持ちを込めて戦えたのではないかと思います。

◯質疑応答

――後半の早い時間にペク ソンドン選手を入れて、試合の情勢が変わったように見えましたが、どういう狙いだったのでしょうか?
マッシモ フィッカデンティ監督 チームとして戦い方を変えたかったというよりは、選手を替えざるをえない理由がありました。鎌田大地はまだ肘が万全の状態ではありませんのであのくらいの出場時間で替えておかないと、疲れとともに集中が切れ、けがのリスクが上がるとこわいと思いました。同じかたちでも選手が替われば特長が変わりますので、若干異なるように見え、また結果的に実際に異なるプレーとなったところもあったのかと思います。

――このピッチに立った感想と、勝点1を次以降にどうつなげていきたいかをお聞かせください。
マッシモ フィッカデンティ監督 負けずに結果を出したのは大事なところです。ポゼッションを大事にして得ることができた勝点1だと思っています。
二年間ここで仕事をして、どういうことをしたかはみなさんご存知だと思いますけれども。自分もそうですが、人それぞれ、いろんな路を選んでいくなかで、この二年間はほんとうにいい結果を残すことができましたし、多くの選手の成長に携わることができました。今後もFC東京というチーム、わたしがよく知っている選手たちとの関係、絆は、残ると思います。

そのように、きょうは特別な日なんですけれども、ここに座っているみなさん(記者)のほうが硬い気がします(※場内笑)。ここに帰ってきて感じることは、感謝の気持ちしかありませんので、もっとリラックスしてやっていきましょう。
“東京ガス”という大きなくくりで考えても、自分の人生のなかで、とてもよい歴史のひとつとして残りますし、チームの役員の方も選手もスタッフも。
サッカーの世界にはどうしても別れというものがつきまといますから、そのなかで互いにいい思い出を共有するべきだと思います。ファン、サポーターの方も常に自分のチームを応援しないといけないでしょうから、わたしに対してきょう応援する必要はなかったと思います。しかしFC東京のファン、サポーターが自分に対してどう接してくれていたか、この思いは一生、何も変わりません。そこははっきりと言いたいと思います。

――ここ数試合シュートに持ち込めないが、得点するための課題をどうお考えですか。
マッシモ フィッカデンティ監督 かんたんじゃないので、ちょっと考えさせてください(※場内笑)。四カ月前から考えているんですけど、なかなか(笑)。とても興味深い質問をされたと思います。仰るとおりだと思います。
点にならないところでも、チャンス自体はできていると、いつも捉えています。きょうは実際に、チャンスになりかけるところも少なかったので、仰るとおりだと思います。よくしていく方向で、しっかりと働きたいと思います。

――完璧な守りのプランを立てましたが、相手をよく知っていることはプランを立てるにあたって有利に働くのでしょうか。
マッシモ フィッカデンティ監督 これもまた難しい質問だと思いますが、阿部(拓馬)選手とゴールキーパー(秋元陽太)の選手以外は昨年自分がよく知っている選手ばかりでした。
もちろん、相手をよく知り、しっかり準備をしたうえで、きょうの勝点1という結果に持ち込むことができたわけですけれども、それは相手がすばらしい選手を揃えた強いチームだと知っていたということですので、戦う前から難しい試合になるとわかった状態で試合に臨んだわけです。彼らのよさ、特長はわかったうえで戦ったわけですけれども、だからかんたんに抑えられるということではなく、脅威であることがわかるだけで、楽に抑えられるようになるわけではありません。

FC東京の選手について話をさせていただくと、彼らとはほんとうにほんとうに強い絆を持っていると感じます。ただ、いま鳥栖でも同じようなチーム、それ以上のチームをつくろうと思ってその仕事に集中しています。東京と比べたらちいさな街に引っ越したわけですけれども、いままでの歴史でも鹿島や磐田が証明してくれたように、あまり大きくない街でも、しっかりとプログラムを立ててやるべきことをやっていけば、歴史をつくることができると思います。しっかりとしたアイデアを持って、がまんするところはがまんして堪え、時間をかけてつくっていけば、鳥栖でいいチームをつくることができると思います。かんたんではないのですけれども、一日いちにち、必ずそういう方向に持っていけるようにして、やっていきたいと考えます。
どうぞ、どうぞ(※日本語で湯浅健二氏に最後の質問を促す)。

――豊田(陽平)でチャンスがふたつあったと思いますが、森重(真人)が強すぎたのか、それ以外はありませんでした。
マッシモ フィッカデンティ監督 相手のディフェンスのよさを崩すために、毎回ロングボールというのではなく、毎回つなぐわけでもなく、織り交ぜながら戦うように、選手には指示しました。そこが単調になっていくとかんたんに守られてしまうというところが、いやでした。
豊田、森重に関してはふたりとも空中戦がすばらしく、見応えがある場面を生み出せたのではないでしょうか。チーム全体にとってすごく収穫だったのは、最後の1分まで引き分狙いだったのではなく、勝つために戦っての引き分けだったことです。そういうメンタリティで戦うことはわたしがいつもチームに求めていることですので、それをきょうグラウンドのなかで選手が示してくれたところは、ほんとうに大きな収穫でした。
後半も、ゴール前にへばりつくわけではなく、なるべく高く高くラインを保とうという戦いをしましたので、そういう戦い方でいいのだと、すぐ選手に伝えました。
グラッツェ、トゥッティ(みなさんありがとう)(※拍手のなか去る)。

 

 

 

 

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