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【無料記事/J3第21節第1報】ショートレポート◆急成長のグルージャ盛岡に敵地で引き分け!岡庭愁人J3デビュー!(2016/09/11)

9月11日、FC東京U-23はいわぎんスタジアムでグルージャ盛岡と対戦、1-1で引き分けた。東京守備陣の予測よりも先を読んだ展開で主導権を握った崩し、揺さぶりで、序盤は盛岡が優勢。前半11分、左サイドハーフの安楽健太が深くえぐり、すばやく入れたグラウンダーのクロスに、梅内和麿(FC東京U-18→明治大学)がニアで合わせて先制。2種登録されたばかりでこの日がJ3デビューとなった岡庭愁人(FC東京U-18)が守るサイドを破られての失点だった。
タテにパスが入ると危険度が増す盛岡の攻撃は脅威だが、しかし守備に穴があった。盛岡の神川明彦監督はフォワード11番谷口堅三のプレーに問題があったと試合後の記者会見で指摘したが、ネイサン バーンズが盛岡ディフェンスと中盤のあいだに空いたスペースを使うと、盛岡のポジショニングがずれ、隙間が拡がり、そこに林容平が入り込む。林とバーンズでリズムをつくっていた時間帯の前半24分、自らボールを運んだバーンズが左寄りに位置していた林にパス。林は巻いたシュートを撃とうという意図で左から中央に切れ込むと、一瞬空いたコースに向かって右足をひと振り。思ったようなシュートにはならなかったが、わずかに相手選手に当たったボールは豪快にゴールネットに突き刺さった。
残りの時間帯は東京の猛攻。しかし追加点を奪えず、1-1のままハーフタイムに入った。

ハーフタイムに問題点を修正した盛岡は後半にアグレッシヴな姿勢を取り戻し、東京と互角の撃ち合いを演じる。岡庭は前半20分以降からJ3のスピードに慣れ、マッチアップする安楽を抑え込んでいた。だがユース年代より強い負荷の影響か脚が攣り、後半39分にやむなく交替。岡庭だけでなくチーム全体で終盤に脚が止まった東京は反発力が弱まり、右サイドでチャンスをつくりつづける水沼宏太のゲームメイクも実らず、1-1で引き分けた。

神川監督のサッカーが浸透し、天皇杯でベガルタ仙台を撃破するなど、前半戦でFC東京U-23に敗れたあとは無敗をつづけている盛岡に対し、中村忠監督はあえて岡庭を本来のポジションである右サイドバックで先発させた。盛岡のキープレーヤーであり個人技を持つ安楽と対峙することも承知のうえ。実際に岡庭が苦労するところは多かったが、この一試合で得た経験値には計り知れない価値がある。ユースの試合であれば余裕を持って確実にプレーできる場面でも、J3では思うようにできない。脚が攣らない元気者なのに、84分でピッチを退く。現状の限界を知ることで、乗り越えるべき指標を得ることができる。岡庭はこの試合で出た課題を糧に、さらに成長することだろう。

OA(オーバーエイジ)にも収穫はあった。J1のメンバーに入るためには何が必要かを考えながら、圍謙太朗は幾度となく1対1のシュートとクロスを防ぎ、林容平はただ一回のシュートチャンスを確実にものにした。ただの引き分けという以上に濃厚なゲームだった。

 

 

 

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