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【有料記事/J1_2nd第12節】10分間で3失点。繰り返された敗戦(2016/09/17)

9月17日にJ1セカンドステージ第12節が開催され、味の素スタジアムではFC東京が浦和レッズと対戦。中島翔哉が倒されて得たPKを後半3分に森重真人が決めて東京が先制したが、後半32分、40分、42分と立てつづけに失点し、1-3で敗れた。

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リーグ戦の対戦通算成績は7勝16敗6分。ホームで浦和に勝ったのは2013年9月14日の国立競技場が最後で、味の素スタジアムでの勝利となると2004年9月23日まで遡らなければならない。
残りの5勝はJ1昇格年からの5連勝で、大熊清監督と原博実監督の時代に記録したものだ。
今度こそはと意気込んで臨んだ試合だったが、またしても敗れた。それも、終盤の3失点による逆転負け。ファーストステージの屈辱を思い起こさせる負け方だった。
サイドからクロスを上げて飛び込まれる場面は、サガン鳥栖やアビスパ福岡に逆転負けを喫した試合でも何度も見た。監督が交替し、負荷の強いトレーニングで体力を増強したはずだが、結果だけを見れば進歩は感じられない。

ランコ ポポヴィッチ監督時代は、浦和と戦うときは相手の3バックに3バックで合わせてミラーゲームとし、引き分けに持ち込んでいた。ポポ時代のリーグ戦対戦成績は4試合で1勝3分け。しかしマッシモ フィッカデンティ、城福浩、篠田善之とつづくこの三年間は勝ち星がないどころか、最新の節までの直近5試合で4失点、4失点、4失点、3失点、3失点。1試合平均3.6失点は獲られすぎだ。問題があると言わざるをえない。

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17日はスタート時のフォーメーションに3バックではなく4-2-3-1を採用した。1トップに前田遼一、トップ下に東慶悟、右サイドハーフに河野広貴、左サイドハーフに中島翔哉を配したいつもの布陣だ。そしてこれは高い位置でプレスをかけることが前提の布陣でもある。
前からプレッシャーをかけてボールを奪い、そのままショートカウンターで攻めきれば、反撃を受けるリスクを減らすことができるし、リアクション守備時のようなマッチアップを気にしないで済む。もし相手の攻撃を受けながら守るのであれば、4バックの状態ならサイドハーフのどちらかひとりをディフェンスラインに下げる必要がある。選手交替をしないまま3バックにするなら、やはり攻撃的なサイドハーフのどちらかひとりはウイングバックに転じなければならないかもしれない。
河野や中島が守備的なサイドの選手になった場合、彼らふたりの持ち味は活きなくなるし、マッチアップした守備の問題も出てくる。勢いよく前に向かってプレスをすることに関しては河野や中島も機能するが、下がりながらマークを外さないようにからだの向き、姿勢、移動、判断を正しく保つことは、そうかんたんではないだろう。
したがって4バックから3バックへのスイッチは選手交替を伴う。結果的に、前線からプレッシャーをかけに行く4-2-3-1=攻撃的=河野広貴と中島翔哉というセットと、3-4-3、実質5-4-1にして受ける守備=守備的=丸山祐市と高橋秀人というセットを切り換える作戦になった。
しかしこれは不可逆的だ。一度3バック(5バック)に切り換えたら攻撃的なモードには戻せない。実際、5-3-2に変更して点を獲りに行ったが、果たせなかった。
河野と中島がいるうちに得点し、そのリードを守りきるべくシステムを変更する。そのプランで試合を進めるなら、この日は1点しか獲れなかったのだから、2点3点と色気を出さず1対0で勝つことを選択するしかない。もし1点を獲られたら1対1の引き分けで試合を終わらせなければならない。2失点したらプランは破綻する。
そういう考えに思えたが、篠田善之監督が記者会見で語った内容はこちらの見方とはかなりちがっていた。

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「サイドに(橋本)拳人が入ったときに、2点めを奪うチャンスができたと思うんですけれども、そこで奪いきる、しっかりゲームを締めることができなかったので、非常に残念です」
「森脇(良太)選手と拳人をマッチアップさせることによって、さらに拳人が前に出る、推進力があるんじゃないかとわたしは読んだので。本来ならそこで突き放せるとよかった。ああいうかたちになってしまったのは、私のミスかもしれない。でもトレーニングではずっとやってきていた。1点を先に獲って、2点めを奪ってあのまま終わらせるプランが、なかなかプランどおり行かない。そこの見極めは私がミスったかなと思います」
「3-4-3の場合は、徳永(悠平)と(室屋)成が駆け引きで高い位置をとって、ワイドの関根(貴大)選手と駒井(善成)選手を下げるようなかたちをイメージしていたんですが、なかなか。それができなかった」
「さらに2点めを獲れれば5-4-1のかたちをとろうとは思っていました」
「相手が押し込んできたときにさらに推進力を出せる橋本(拳人)を置いたことによって2点めを獲りたい。もしくは室屋(成)、徳永(悠平)にチャンスがあれば行ってほしいと選手たちには言っていました」
「ぼくのほうでも詰めが甘かったし、選手たちも疲弊して前に出ていけなくなってしまった。これが現状」

5-4-1に見えたのは3-4-3。そうであるならば、

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