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【無料記事/ルヴァンカップ準決勝第2戦第1報】清々しいまでの大敗。中島翔哉の得点で一矢を報いるもFC東京ファイナル進出ならず、埼玉に散る(2016/10/09)

10月9日、FC東京はルヴァンカップ準決勝第2戦に臨み、埼玉スタジアム2○○2で浦和レッズと対戦。3-1で敗れ、トータルスコアでも5-2と下回って敗退が決定。決勝進出はならなかった。前からプレッシャーをかけてボールを奪い高い位置から攻撃を仕掛ける狙いだったが、前の4枚が相手ボールホルダーとの距離を詰めても後方が連動できず、守備が嵌まらずに、浦和にゴール前周辺での仕掛けを許した。ドイスボランチが剥がされると最終ラインが浦和5対東京4の数的不利となり、浦和のシャドーとウイングバックに東京のサイドバックが2対1の数的有利の状況をつくられ、フィニッシュに持ち込まれた。浦和にボールを持たれた状態では東京の最終ラインもプッシュアップが難しく、悪循環がつづいた。

浦和は前半24分、興梠慎三が起点となって青木拓矢→高木俊幸と渡り、再び戻ってきたボールを興梠が決めて先制。前半38分には武藤雄樹が東京との駆け引きを制して右サイドにパス、これを受けた駒井善成がディフェンダーとゴールキーパーのあいだを通すような低く速く曲がっていくクロスを入れると、ゴール前に滑り込むように興梠が入ってきて2-0。さらに後半7分頃、駒井がつくった波状攻撃のチャンスのあと、再びボールを得た駒井がペナルティボックスに進入したところで倒されて浦和がPKを獲得。これを後半8分に興梠が決めてハットトリックを達成、3-0とした。
東京は最後まで諦めず、後半36分に左の東慶悟から来たボールをラインのウラに出た中島翔哉が右足でシュート、1点を返すが、反撃はここまで。3-1で試合を終えた。

篠田善之監督は試合後、共同記者会見で「前から獲りに行く状況をつくったんですが、少しうしろとのギャップが開きすぎて、入れ替わるシーンが多く見られた。この現実は受け止めないといけないし、浦和とわれわれのチーム力と個の力の差がはっきり見られたと思います。ただ、選手たちの取り組む姿勢だったり、最後まで諦めなかった姿勢は、わたしは非常に評価していますし、この悔しい結果をどう受け止め、どう次に向けていくか。当たり前のことですが、またチームとしてしっかりとそれを見つめ直してやっていきたいと思います。結果が出なかったことは非常に残念でなりません。どうやって切り換えるかは、またみんなと話をしながら取り組みたいと思っています」と総括した。

篠田監督同様、選手たちも浦和との差を実感していた。
高橋秀人が「きょう感じたことを踏まえて、ひとのせいではなく、まず自分がどう成長するか。Jリーグのトップ・オブ・トップを自分たちに置き換えて成長するための努力をするほかはないと思います」と言えば、東慶悟も「正直に言って、すべてに於いて浦和のほうがぼくたちよりもレベルが上だと思う。ぼくたちは個人の能力やチーム力(の向上)を時間をかけてやっていかないとこういうタイトルを獲るようなチームには勝てないと試合をやっていて実感した。これが現実かなと思います」と反省しきりだった。
実力差を自覚しつつも覇気を漂わせていたのは中島翔哉。今後、浦和のようなチームに勝つ力を身につけるために何をしなければいけないかを問うと、次のように答えた。
「力の差というか、レベルの差はファーストレグでもそうですし、いままで浦和と試合をしてきたなかで感じてきたことなので、強いチームだとはわかっていました。
ただ、それでも自信を持ってやらないといけないですし、怖がらないで、前を向いてプレーをすることが大事です。日々のトレーニングがほんとうに大事なので、試合のように、試合だと思って練習するというか、試合でいいパフォーマンスを出せるようにトレーニングしていきたいですし、質も量もしっかりやりたいなと思います」

現在の実力をぶつけるやり方で戦った結果の完敗。この現実を成長の材料としなければ、敗れた意味がない。なぜ浦和レッズとFC東京の差はここまで開いたのか、あらためて考える必要があると、そう思わせる試合だった。

 

 

 

 

 

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