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【無料記事/新人戦決勝第1報】大本竜司超セーブ!小林幹電撃先制!久保建英圧巻2発!品田愛斗復活ダメ押し!FC東京U-18、強敵東京ヴェルディユースを撃破し栄冠に輝く(2017/02/11)

優勝後にゴール裏のファン、サポーターと記念撮影。

優勝決定、表彰後にゴール裏のファン、サポーターと記念撮影。

5日の決勝リーグ第3節で、試合中に佐藤一樹監督から落ちたカミナリ「サッカーをなめるな!」。この名言を用いたダンマクが選手たちを鼓舞した。

5日の決勝リーグ第3節で、試合中に佐藤一樹監督から落ちたカミナリ「サッカーをなめるな!」。この名言を用いたダンマクが選手たちを鼓舞した。

吹野竜司投入後に怒涛の攻撃を見せた東京。この角度のないところで決めた久保建英のゴールによって2-1と勝ち越すと、もう勢いは止まらなかった。

吹野竜司投入後に怒涛の攻撃を見せた東京。この角度のないところで決めた久保建英のゴールによって2-1と勝ち越すと、もう勢いは止まらなかった。

2月11日、味の素フィールド西が丘で平成28年度 第18回 東京都クラブユースサッカーU-17選手権大会決勝戦に臨んだFC東京U-18は、東京ヴェルディユースに4-1の勝利を収め、ことし初のタイトルを手にした。

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決勝リーグ最終節でふがいない試合をしてしまったFC東京U-18。しかし猛練習の末、六日前の小平とはみちがえるような気迫に充ちたプレーを見せた。

東京は開始後2分、いきなりのチャンス。左サイドハーフで先発した小林幹が相手にプレッシャーをかけ、転がってきたボールを正確に蹴り込む。このシュートが先制ゴールとなり、ヴェルディの出鼻をくじいた。小林(幹)は試合後「小池(知己)コーチと取り組んだダイレクトシュートの練習が実った」と語った。
このあとの10分間は反発力を見せたヴェルディに、“らしい”つなぎのパスからサイドに展開しての流麗な攻撃で攻め立てられてしまった。8分には決定的なピンチ。18番大森渚生にすばらしい飛び出しで東京守備網を突破され、ウラに抜け出されるが、この1対1の局面でゴールキーパー大本竜司が果敢に前進。からだごとぶつかるようなセーブでシュートを防いだ。複数あるタスクのなかでビルドアップに占める割合を減少気味に心がけ、シュートストップなど守備面に傾注した意識上の改善が功を奏した。
13分以降は再び東京も決定機をつくれるようになるが、支配力の高いヴェルディを完全に上回ることができず、追加点を奪えないまま1-0でハーフタイムを迎えた。

2点めを奪えなかった東京に試練。後半10分、右サイドでパスを受けたヴェルディ大森が駆け上がり、中央を向いて味方にパス。このボールがふたりを経由して戻ってきたところを再度ニアで受けた大森にゴール右隅に叩き込まれ、ついに同点に追いつかれてしまった。
いかにもヴェルディという感じの、美しく見事な崩しだった。ハードワークを基調としながら技術を追求する東京は、技術を基調としながら現代的な球際の激しさも身につけたヴェルディにこのまま逆転されてしまうのか……。
しかしこの3分後、東京は選手交替で流れを変える。フォワード原大智に替えて吹野竜司がイン。吹野が本職の右サイドハーフに入ると、そこにいた荒川滉貴が左サイドハーフへ。そして左サイドハーフだった小林(幹)が久保建英との2トップにまわった。
サイドの守備に苦しんでいた小林(幹)の替わりに守備力を兼ね備えたドリブラー荒川が蓋をし、久保との連携がよく中央での仕事を得意とする小林(幹)がフォワードとなったことで、攻守に機能性が向上した東京は、ここから反撃に転じた。
後半27分、左サイドの小林(幹)から絶妙なパスを受けた久保が、角度のないところからわずかに空いた左上隅を狙い、左足で豪快に突き刺してまず勝ち越し。そして後半30分にも、中央で相手のプレッシャーが一瞬緩んだ隙にするすると持ち上がった久保が再びシュートを決め、ついに2点差と突き放すことに成功する。
最後は試合をしっかりと閉じるために入ってきたボランチの品田愛斗が、今村涼一のシュートが弾かれたところを拾った 杉山伶央のクロスを決めてダメ押しのゴール! このアディショナルタイムの得点でスコアは4-1となり、勝負は決まった。
昨年11月の末からグローインペインで戦列を離れていた品田がベンチへ駆け寄ると、大勢の仲間たちが我が事のようにこのゴールを喜ぶ。その団結した姿が、チームとしての力を証明しているかのようだった。

高い技術と洗練された崩しでゴールを奪うヴェルディにあと一歩のところまで追い詰められながら、終わってみれば4-1の大勝。二冠を達成した昨シーズン以上に輝くべく、選手層の厚さを示しながら獲得した新人戦優勝という成果を糧に、FC東京U-18はさらに前進をつづける。

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後藤勝渾身の一撃、フットボールを主題とした近未来SFエンタテインメント小説『エンダーズ・デッドリードライヴ』(装画:シャン・ジャン、挿画:高田桂)カンゼンより発売中!
◆書評
http://thurinus.exblog.jp/21938532/
「近未来の東京を舞台にしたサッカー小説・・・ですが、かなり意欲的なSF作品としても鑑賞に耐える作品です」
http://goo.gl/XlssTg
「クラブ経営から監督目線の戦術論、ピッチレベルで起こる試合の描写までフットボールの醍醐味を余すことなく盛り込んだ近未来フットボール・フィクション。サイドストーリーとしての群青叶の恋の展開もお楽しみ」
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