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【有料記事/J1第8節第1報】両チームを通じスプリント回数最多の34回。折り合いをつけ、やるべきことを整理した“変身”大久保嘉人のリニューアル宣言(2017/04/22)

ヨシメーターがまわり、数字が「173」に増えた。しかし大久保嘉人はPKの妙を語らず、何を訊ねても、いかにこの試合に臨んだかの話に収束していった。
今節「アルビレックス新潟vs.FC東京」のなかで、大久保の記録したスプリント回数両チームを通じ最多の34回。セカンドハーフの途中、DAZN(ダ・ゾーン)の中継で確認したときには2位だったから、その後も大久保は休まずスプリントを繰り返していたことになる。

ファーストハーフから、泥臭く走り、ディフェンスをする姿が目についた。気づいたその感触は勘ちがいではなかった。
試合中、スプリント回数が1位2位を争うところでしたよと水を向けると、大久保はこう言った。
「おれ? 珍しいすね。いままでそんなランクに入ったことなかったのにね。まあ、それを絶対やろう、と。もうそれだけでいいやと、おれのなかでは。それでチームが助かるんだったらそれでいいやと思って、最初からそうやって入ったし。これから、もうそれで行きたいなと思っていますけどね」

最終的には1位になった。前回出場した第6節の15回に比べてスプリント回数が倍増している。走行距離自体も10.464kmから10.858kmとやや増加。その効果はあきらかだ。前田遼一は今週「ヨシトにはスピードがあるのでそれを活かしたい」と言っていたが、まさにそのかたちになった。短いパスを受けてはたいて連動していくような攻撃ではなく、シンプルにウラに抜け、シンプルにウラを狙うパスという組み立てのとき、大久保はウラに抜ける役目を志向し、そして前田のパスを受け、倒れ込み、PKを獲得した。
大久保は、それが東京に適したやり方だと認めた。
「まあね。このチームはたぶん、そういう獲り方がいちばんいいんじゃないですか? それでたぶん点は獲ってきてると思うし。だから、おれはあんなに走らんけどいつも、でも走ろうと思って走ってるし、それで獲れたんだったら、それが正解だし。おれはそれをやりつづけるしかないしね。やりますよ」

大久保の悩みは深かった。元日までプレーしていた川崎フロンターレとはサッカー観から何からすべてがちがうFC東京で、

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