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【有料記事/J1第9節第3報】昨シーズンからつづく戦い方に新戦力が馴化。少しずつ変化を見せる篠田東京(2017/05/01)

4月22日のJ1第8節を評して、太田宏介はこう言っていた。
「後半のあの時間帯はいい距離感でプレーできたので、やっていて楽しかった。フォワードがみんなハードワークしてくれてやりやすかった。ゼロに抑えたのは気持ちいい。いい連戦のスタートになった」

橋本拳人が新潟から決めた後半24分のゴールは、高い位置でボールを奪い、相手ゴールの前で攻撃陣が近い距離を立ち、連動して決めたもの。篠田東京の基本線であるハードワーク、前線からの守備をいい攻撃につなげる戦い方が生んだ好プレーだった。
新潟と戦ったときは、まだ苦しい時間帯が多く、この橋本のゴールと、後半46分に前田遼一が左足のシュートを撃った場面がクローズアップされるのみだったが、ルヴァンカップを経て一週間後の第9節では、既に東京は試合全体を掌握できるようになっていた。
髙萩洋次郎とドイスボランチを組んだ梶山陽平は「広島とはこういうがまん比べになると試合前から言っていたので、しっかり前半から守備のバランスをとってできた。攻撃のチャンスも何回もありましたし、チーム自体がよくなっていくかな、と」と、総括。札幌での敗戦以来「みんなで前から行こう」と話をしてバランスがとれるようになり、全員がハードワークを貫徹していることに手応えを感じていた。
ボールを持ったときの内容もよかった。まるでパスが引っかかって逆襲を喰らっても怖くないというような、堂々たるパス廻しだったが、この姿勢を支えていたのは、どうやらリスク管理に対する自信だったようだ。梶山は言う。
「切り換えのところでしっかりやってカウンターを遅らせるという指示が(篠田善之)監督から出ていたので、その辺りもうまくできていたんじゃないかと思います」

攻めてよし、守ってよし。ただ、どちらが先かと言えば、やはり守備になるだろう。
サンフレッチェ広島を1-0で下したあとの共同記者会見で、篠田善之監督は前田遼一と大久保嘉人、ふたりのフォワードの鬼気迫るプレッシングを讃えた。フォワードが走る必要性、守る必要性を、いまの大久保は認めている。広島に勝ったあと、篠田監督からの高評価を伝え聞いた大久保は「それをしないとこのチームではだめだと思う途中でミキッチが入ってきて1対1にさせるのもいやだし、そういうところで挟み込むときは挟み込もうという感じに入っていましたね」と言った。
前線のコンビネーションそのものは以前よりもよくなっている。ただ、フォワードはつぶれて犠牲になる場面が多く、シューターになっていない。大久保も「まだまだ、

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