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【特別企画/無料記事】FC東京番記者座談会<前篇>(2017/06/06)

今週は日本代表戦による中断でJ1リーグがひと区切りを迎えます。このタイミングでちょっとひと息入れていただきたく、本日はざっくばらんに語る番記者座談会をお届けしたいと思います。ゲストにお呼びしたのはスポーツ報知の井上信太郎記者とスポーツニッポンの大和弘明記者。はたしてどんなお話が飛び出すでしょうか(特に後篇)。

◯FC東京番記者座談会<前篇> 久保建英について

後藤 本日、司会を務めさせていただきます、当サイトの後藤勝です。それではまず、自己紹介をお願いできますでしょうか。

大和 スポーツニッポン新聞社の大和弘明です。群馬県出身、編集センター、長野支局勤務を経て2013年の10月からサッカー担当をしています。長野支局の時は高校野球などいろいろやっていましたが、松本山雅FCやAC長野パルセイロのJFL時代を取材していました。

後藤 JFLにいたときの松本と長野を取材しているというのは貴重ですね。井上さんも、ずっとサッカーというわけではないんですよね。

井上 報知新聞社の井上信太郎です。以前はプロ野球の担当で、読売ジャイアンツとヤクルトスワローズを取材していました。サッカー担当になったのは去年、2016年からで、サッカー班配属とともにFC東京の担当を始めました。

大和 担当するチームが優勝すると言う伝説が……。

井上 野球時代は4連覇だったんですが……。

後藤 昨年も予定では優勝……いや、やめておきましょう。じつは甲府も観ていたのだとか。

井上 昔、地方部時代にヴァンフォーレ甲府を1年担当していました。2011年のことですね。あと、その前の2010年にカターレ富山、まだJFLだったツエーゲン金沢も観ていました。

後藤 安間貴義トップチームコーチとも接点がありますよね。

井上 安間さんとは主に富山を取材していたときに会っていたんですが、じつは2009年に甲府をちょっと手伝っていたときにも安間さんにはお世話になっていて。じっくりお付き合いさせていただくのは2016年の東京からですね。

大和 忘れてた、高橋秀人と同じ群馬県伊勢崎市出身です。

後藤 そこ重要ですね。

井上 年齢的には平山相太世代ですね、1985年生まれ。われわれふたりとも09年入社で同期です。

後藤 その年齢だと中堅って言ったらいいんですかね、若手じゃない?

大和 いちおう若手の、中堅の入口といいますか。

井上 中堅になりましたって感じです。

後藤 おふたりは、前半戦の話題を持っていった久保くんについてもよく取材されていますよね。U-20ワールドカップ前にJ1カテゴリーでプレーしたのはルヴァンカップの2試合ということになりますが、このカテゴリーでの久保建英の印象はどうでしたか?

井上 ぼくが取材を始めたのは最近のことなので、過去との比較ではできませんが、プレーも強気にやるんだなっていう印象ですね。

後藤 まったくおどおどした様子とかないですよね。

井上 はい、飄々とやっているし、「ぼくの15歳のときとはまったくちがう」って大久保嘉人も小野伸二も言ってたけど、そうとしか思えないですね。

大和 観ていて何の違和感もない、15歳だからどうこうっていうんじゃなくて、年齢を言われなければ15歳とわからないぐらいふつうにやっていた。それはまずすごいなというのと。あと思うのは、もし自分が15歳であの場面にいたらもっとがむしゃらにやるんでしょうけど、悪い意味じゃなく、それもないのがすごいなと思った。ふだんとちがうプレーをしてしまう事がまったくないから、この子はすごいと感じました。

井上 ことしにかぎって言えば、体格だとか身長について世間ではいろいろ言われていたけどそんなにちいさくもないし、そこまでひょろひょろでもないというのは感じました。「早く上げすぎだ」という声もありますけど、この年代で早くチャンスを与えられるというのは、森本貴幸などのレアケースを除けば日本ではあまりなかったことじゃないですか。(リオネル)メッシだって18歳になったばかりのときにA代表デビューを果たしているわけで。こうやって早くプロを経験するのは結果的に彼のためにも、とってもよかったんじゃないかなとは思います。

大和 怪我しなくてよかったけど、もはや、怪我するような身体でもないんじゃないかと。

井上 U-20日本代表監督の内山篤さんは「メッシが怪我するか?」って言っていました。それを考えれば、周囲が見えている久保建英がそうそう容易にけがをするはずがない、とは言えるのでは。

後藤 久保くんの海外挑戦をサポートした浜田満さんが、ぼくが書いた記事に「たしかに久保建英は大きく成長したが、もしあのままバルサにいたらもちろんそれはそれで大きく成長していただろう」という意味のコメントを残してくれたんですけれども、言い換えると、バルサで成長するのと同じぐらいの状態にして返さないと日本の名折れになっちゃうわけですよね。と考えると、東京がこれだけ必死になっている理由はわかります。あれくらいカテゴリーを上げないと、ヨーロッパで成長する速度に追いつけないということなので。

井上 バルセロナにいたらもっと巧くなっていたかもしれないけど、絶対この歳でプロは経験できていない。レベルだけでなく、ファンが何万人入った環境でやるのをこの歳で味わえるということはバルサではできなかっただろうと、スペインの通信員は言っていました。

後藤 成長のルートとか仕方はちがうけど、

井上 ちがうけど、それはそれで順調にいっているんじゃないかと思います。

後藤 大きな試合で観たいという期待感が結果的に奏功したという面はあるかな、とも。

井上 なぜ久保くんをスポーツ紙が取り上げるか、言っておいたほうがいいかもしれないですね。正直なところ、サッカーを知らないひとも読むスポーツ新聞で報道をしようとしたときに、残念ながらサッカー界で話題になる人物が乏しいわけです。

大和 三浦知良選手がその筆頭ですよね。

井上 そうですね。この状況で久保建英という存在が出てきたことは、メディアのみならず日本のサッカー界にとってもビッグチャンス。誰もが知っている選手は本田圭佑以降出てきていないですから、取り上げざるを得ないし、取り上げたくなるところはあります。ただもちろん、本人はまだ15歳(※座談会収録時点。本記事掲載時点では16歳)。彼を守らなきゃいけないというのはもちろんわかるし、そこの折り合いをどうつけていくかが重要だと思います。

「青赤20倍!トーキョーたっぷり蹴球マガジン」とは

 

「青赤20倍!トーキョーたっぷり蹴球マガジン」について

『青赤20倍!トーキョーたっぷり蹴球マガジン』は、長年FC東京の取材を継続しているフリーライター後藤勝が編集し、FC東京を中心としたサッカーの「いま」をお伝えするウェブマガジンです。コロナ禍にあっても他媒体とはひと味ちがう質と量を追い求め、情報をお届けします。

 

 

青赤20倍!トーキョーたっぷり蹴球マガジンは平均して週4回の更新をめざしています。公開されるコンテンツは次のとおりです。

主なコンテンツ

●MATCH 試合後の取材も加味した観戦記など
●KODAIRA 練習レポートや日々の動静など
●新東京書簡 かつての専門紙での連載記事をルーツに持つ、ライター海江田哲朗と後藤勝のリレーコラムです。独特の何かが生まれてきます

そのほかコラム、ニュース、などなど……
新聞等はその都度「点」でマスの読者に届けるためのネタを選択せざるをえませんが、自由度が高い青赤20倍!トーキョーたっぷり蹴球マガジンでは、より少数の東京ファンに向け、他媒体では載らないような情報でもお伝えしていくことができます。すべての記事をならべると、その一年の移り変わりを体感できるはず。あなたもワッショイで激動のシーズンを体感しよう!

 

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◎後藤勝(ごとう・まさる)
東京都出身のライター兼編集者。FC東京を中心に日本サッカーの現在を追う。サカつくとリアルサッカーの雑誌だった『サッカルチョ』そして半田雄一さん編集長時代の『サッカー批評』でサッカーライターとしてのキャリアを始め、現在はさまざまな媒体に寄稿。著書に、2004年までのFC東京をファンと記者双方の視点で追った観戦記ルポ『トーキョーワッショイ!プレミアム』(双葉社)、佐川急便東京SCなどの東京社会人サッカー的なホームタウン分割を意識した近未来SFエンタテインメント小説『エンダーズ・デッドリードライヴ』(カンゼン)がある。2011年にメールマガジンとして『トーキョーワッショイ!MM』を開始したのち、2012年秋にタグマへ移行し『トーキョーワッショイ!プレミアム』に装いをあらためウェブマガジンとして再スタートを切った。

 

■J論でのインタビュー
「ライターと編集者。”二足の草鞋”を履くことになった動機とは?」後藤勝/前編【オレたちのライター道】

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