【無料記事】苦悩するFC岐阜と野澤英之。守備に改善の兆しも無得点で横浜FCに敗れる(2017/07/15)
FC岐阜は7月15日、ニッパツ三ツ沢球技場でJ2第23節に臨み、前節終了時11位の横浜FCと対戦、1-0で敗れた。ここまで失点が多い岐阜は福岡戦で久々に出場したあと一試合空けての先発出場となった青木翼をセンターバックに置く守備陣がアンカーの庄司悦大と連携しながら慎重にカウンターに対処していたが、ゴールキーパーからの長いボール1本をジョン チュングンに決められ、その1発に沈んだ。大半の時間帯は確実にディフェンスを遂行していたものの、セットプレーなど止まった状態からの攻撃で失点する傾向が如実にあらわれてしまった。岐阜は後半24分、FC東京から期限付き移籍中の右サイドバック野澤英之に替えて風間宏矢を右ウイングに送り、右ウイングだった大本祐槻を右サイドバックに下げる、天皇杯vs.サンフレッチェ広島戦終盤と同じ布陣変更で得点を狙った。しかし後半31分、風間の放ったシュートがクロスバーを叩くと、以降はほとんど有効なチャンスがなく、横浜に逃げ切りを許した。
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今節より前の無得点試合は第3、5、18、21節のみ。J1のサンフレッチェ広島相手にも1ゴールを奪った岐阜が、自分たちが持つボールになかなか喰いついてこない横浜の前に沈黙した。もし相手がボールを奪おうとアプローチに来れば、それをいなし、相手の背後を衝いてゴールを決めることができるが、横浜はそうしようとはしない。
ボール支配力が高める狙いで右サイドバックに起用されている野澤が、そのボールを保持している時間帯に得点を挙げられないと、狭いスペースを衝く攻撃の駒として風間を右ウイングに配置するシフトへと変わり、野澤が退く。チームの苦悩が野澤の苦悩に被っている。
試合後の野澤は「相手が喰いついてこないということもありますけど、チャンス自体が少なかった。最後の精度を高めるなどしてもっと崩していかないといけない」と反省。
イバなどフォワード陣の居残りを警戒して守備陣のバランスがやや後方に偏った結果、タテへの推進力も減少したが、それでもゴールを奪わなければ勝つことができない。
いかに攻守のバランスをとり、ベストの状態を具現化するのか。チームを勝利に導くためにも、野澤にさらなる向上が求められている。
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