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【有料記事/J3第18節第3報】Review◆考え、話し合い、試合中に修正を施していったU-23の対応力(2017/07/23)

献身的にプレーしたオーバーエイジ枠で出場の米本拓司。

高精度のクロスを連発していた岡庭愁人。

相手を置き去りにして自陣から50メートルを独走した久保建英。

1巡めのアウエーではいい内容の戦いをしながらも敗れたギラヴァンツ北九州を相手になんとしても勝ちたかったFC東京U-23だが、1点差でまたも敗北を喫してしまった。
リーグ戦の星勘定からしても、ホームゲームというクラブ主催の興行であることを考えても、勝利は責務であり勝てなかったこと自体は褒められない。しかし16歳から19歳の選手たちの育成を考えれば、一定の成果はあったと言ってもいいのかもしれない。

前半45分間は北九州のペースだった。東京は押し込まれ、久保建英が独力で突破する以外、なかなか前線にボールを運べない状況がつづいた。
この原因について中村忠監督に訊ねると答えは「スピードとパワーに分が悪い部分もあり、最初はそこの差で押し込まれた」。おとなのスピードとパワーに慣れ、サイド攻撃の方針を徹底した後半45分間は一転して東京がゲームを掌握した。
ただ振り返ってみれば、序盤と終盤の要所で得点を重ねた北九州のほうが試合運びで上手だった。成年と若者の差はフィジカルだけでなく90分間の使い方にもあった。

初出場ながら強気で押しとおし、タイムアップまでやりきった草住晃之介。

後半のアディショナルタイムは7分間。

最後の30分間、流動性を機動力を増す一因となった平川怜。

至近距離の被決定機でシュートを止めまくることが平常運転の廣末陸は失点、特に2失点めを悔いた。
「後半の2点めを防いでいれば勝点は獲れたんじゃないかと思っていて、あそこで1本セーブできればチームとしても非常にいい方向に向かっていたはずなんですけど、そこで止められなかったことがきょうのキーポイントかな、と」

最初の失点はポストに当たった花井聖のシュートが内側に跳ね返るというアンラッキーな面もあるし、段階的に刻んでくる攻撃に比べて対応しにくいセットプレーからの一撃だったこともあり、まだ「1試合に1失点は仕方がない」と割り切ることもできただろうが、北九州の2点めは相手ボールホルダーの前でふたりの選手が東京の集中を引きつけた状況で左の大外から入ってきた池元友樹が、ニア寄りに重心をとった廣末の逆を衝いたもので、これを防げなかったことはたしかに悔しいだろう。1点を獲ろうと前のめりな状況だっただけにリスクは高まっていたのかもしれないが、それでも防ぐ余地はあった。

それでも、これで折れなかったのは若い東京のいいところだ。チームの中核を構成しているFC東京U-18自体がスロースターターの気があるのだが、

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