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【有料記事/J1第22節第3報】高橋秀人、味スタへの帰還(2017/08/14)

試合終了後のミックスゾーンで高橋秀人のいる柵に向かうと彼は既に記者に囲まれ、質問に答えているところだった。
「前半に関しては(小川)慶治朗がしっかりと二度追い、三度追いしてくれて、パスコースを限定したなかでうしろが(守備を)やれたことは強みだったと思います。(ハーフナー)マイクのよさはまた(小川とは)ちがう部分。ヘディングシュートは惜しかった。そのちがう特長を持つ選手が入ったときに誰が守備の穴を埋めるかということは、自分たちの課題であり、チームの課題だと思います」

ヴィッセル神戸でも先生のような役回りなのだろうか。少なくとも、総合的に試合内容やチーム状況を振り返ることができるスポークスマン的な能力を発揮していることはまちがいないようだ。

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まるでこのvs.FC東京戦に照準を合わせてきたかのように、高橋は急ピッチで負傷離脱から復帰してきた。5月31日のルヴァンカップグループステージ第7節で右膝内側側副靭帯損傷のけがを負い、全治約6週間の診断を受けた。リーグ戦は6月4日の第14節から7月29日の第19節まで欠場。8月5日の第20節vs.柏レイソル戦で14分間+アディショナルタイムの途中出場を果たし、9日の第21節vs.鹿島アントラーズ戦では早くも先発に戻りフル出場。中三日で味の素スタジアムへの帰還を果たした。
「ここに立たなかったら意味がないと思っていたので、意識は常に持っていた、という感じでしょうか。最終的には急ピッチでの復帰だった。ほんとうはもうちょっとコンディションを上げてからこの(味スタの)ピッチに立ちたかった、というのが本音ではありますけど、いまはそういうことよりも神戸があまりよくない順位に位置しているし、雰囲気もよくないですから、これをいい方向に修正するために尽力していかないといけないと思っています」

試合後、ふれあいを求める「ヒデト」コールに応じて、高橋は東京のゴール裏に向かった。このことについて訊ねると、高橋は「ミーティングが終わってから(東京のゴール裏に)行ったので、ちょっと遅くなっちゃいましたけど、まあ、うれしいかぎりですね」と笑顔で答えた。

「東京のファンが待っているよ」とは、神戸の広報からも聞いていた。ミーティングが終わるのを待つと、ネルシーニョ監督が記者会見に臨むくらいの時間帯になってしまったが、できるだけ早く行こうと、高橋は黒いアンダーシャツ姿で東京のゴール裏に駆け寄った。

「あのように残っていてくれたことはうれしい。FC東京のサポーターのみなさんに育ててもらってこの自分があるのだと、ほんとうに思っています。いざ神戸に移籍して東京を離れてみると、

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