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【有料記事】惨敗の衝撃とその後の苦悩から生まれつつある答えの一端。吉本一謙の言葉はもがく東京のドキュメンタリーか(2017/09/07)

5失点を喫し、茫然自失。FC東京イレヴンの誰もが悔しい思いをしたルヴァンカップノックアウトステージ準々決勝第2戦で3バックの中央にいた吉本一謙は、キャプテンマークを巻き、責任を痛感していた。

チャン ヒョンスが代表招集から帰ってくれば、次節の先発はないはずだった。しかしヒョンスの負傷で事態は変わった。あくまでも徳永悠平、丸山祐市、山田将之との競争を経てではあるが、9月9日土曜日の味の素スタジアムでも、スタートからピッチに立つ可能性が高くなってきた。

だから、吉本が週末について語る内容には、かなり差し迫ったものがある。事態が動いていて、8日の非公開練習でもトレーニングを重ねないと準備が完了しないようだが、少なくともルヴァンカップでの崩壊からチームを立て直した次の姿を見せるよう、改造に励んでいることはたしかだ。

反省し、考え抜いた成果を活かすチャンスを前に、4番は何を考え、そしてチームは何に取り組んでいるのか。

立場もポジションもサッカー観もちがう選手同士であっても、共通した悩みがある。どうして自分たちは相手チームのように、これ、というかたちのあるサッカーをできないのかということだ。
ランコ ポポヴィッチ監督時代のようにつなぎ倒すなり、マッシモ フィッカデンティ監督時代のようにベタ引きを徹底するなり、その戦術自体がいいか悪いかは別にして、どのチームにも拠って立つところがあるはずだが、今シーズンの東京はその土台づくりに挑む度に、手がかりを見出しかけては、いつの間にか雲散霧消している。

たとえば、一定期間つないで崩す練習をしないかぎり、川崎フロンターレのようなサッカーをチーム内の誰が出ても実践できる状態に持っていくことはできないだろう。今シーズンの残り10試合でその完成度を極限まで高めることは不可能だ。
しかし、その手前の段階、これを育てていこうという種を探し、そのやり方に沿ってひとつの組織になってみるということはできるはずだ。遅きに失した感はあるが、これまで何度も話し合ってこの体たらくか――という状態から、なおもサッカーについて考え、彼らなりの答えを出しつつあることが、吉本の言葉から伝わってくる。

――次節のvs.セレッソ大阪戦に向け、個人としての準備は。
吉本一謙 自信を持って動けている。これをつづけてやるだけ。自分のコンディションを継続することと、苦しい負け方をしたあとにどう這い上がっていくかということを考えています。このあいだの試合(ルヴァンカップ準々決勝第2戦)は自分としてもショックだった。自分のプレーもそうだし、みんなを引っ張っていくことに於いても。

――布陣変更、戦術変更が裏目に出ることが多い。選手が力を持て余しているように感じる。やることが決まっていないと、選手も力を発揮しようがないのでは?
吉本一謙 苦しいときこそ、

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