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【無料記事/安間貴義“暫定”監督体制初日第2報】“諦念”から“前向き”へ。主体的な安間サッカーに身を投じる大久保嘉人(2017/09/12)

ここまでの8カ月間に比べると、大久保嘉人の表情は柔らかかった。
「あきらかにみんなあかるくなってる。まあ、まだ一日めだけど。ここからスタートという気持ちになってるんじゃない?」
そしてやる気が見てとれた。
「こっちからアクションしたいよね。いままですべてリアクションで動いていた」

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1-4で敗れたvs.セレッソ大阪戦を思い出す。あの日のセレッソ大阪は、1-5でFC東京を下した川崎フロンターレ同様、パスとゴーを繰り返して得点した。試合後のミックスゾーンで「自分たちがやりたいことをやられたのではないか」と訊ねると、大久保はすかさず答えた。
「やっぱりすべてに於いて、みんなはリアクションで動いているんですよ。向こう(セレッソ大阪)は予測して、ボールが入ったときにはもうサポートに来ているんですけど、こっち(東京)はボールが入って、出したときに動き出すから、すごく距離が遠いんですよ。その繰り返しで。きょうやりながら、やっぱりリアクションなんだなって感じました。それじゃうまくいかない。(パスを)出して、空いたスペースに入っていかないと。そして誰かがそこに落ちる。どんどん数的有利をつくっていかないと。うまいひとたちの集まりだったらいいですけど、そうじゃないチームではそう(足許で止めて考え、パスを出したあとの動き直しがなければ)したら点は入らないと思います」

試合に勝たなければいけないことはたしかだが、それにしてもディフェンスのことしかしないようだ──と、大久保は言っていた。
「それが東京の色というか。だからたぶん変わらないんだと思うんですよね。ことし攻撃陣を獲ったのに、ディフェンスのことを言ってもね、変わらないですし、いままでといっしょで。ディフェンスに重たい、ということはありますよ」

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「変わらない」という諦念が、安間貴義監督の“ポゼッション”というキーワードに触れて溶けかけている。
「何かを変えないと。安間(貴義)さんのやりたいサッカーをできるようにおれたちはやっていくしかない。それは前向きにやっていきたいね」

くだんのvs.セレッソ戦の後半は、大久保が1本のパスでチームメイトに決めさせようと、単発で浮き球を送るシーンが目立った。数人で連動できるのであれば、そういうプレーはしないのではないか、ほんとうは崩したいのではないか──と問うと、大久保は認めていた。
「あれしかないですからね。なかなかああやって“蹴るぞー”と言ってウァーンと(浮き球を)蹴ることはないので。ここに来てから、(キャリアのなかで)初めてじゃないかなというくらいやっている」

しかしもう、その単発攻撃を選択する必要はない。連動して崩すサッカーへとシフトするからだ。

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「変わらない」「リアクション」と苦言を呈していた大久保も、そしてバッシングの対象となっていた梶山陽平も、ピーター ウタカも丸山祐市も、安間東京の初日には浮いていなかった。狭いグリッド内で躍動し、連動し、溶け込んでいた。

「自分たちから動いて、先手を取って。安間さんはそういうサッカーだと思うから」
大木武(現FC岐阜監督)が率いたかつてのヴァンフォーレ甲府で、安間監督は参謀役であり、育成係だった。スモールフィールドで勝負する甲府は、「止める・蹴る」を大事にする風間八宏の川崎フロンターレにも通じるところがあったはずだ。

「まだミニゲームだけでしたけど、やれそうな雰囲気はありましたか」と訊ねると、大久保は勢いよく答えた。
「たぶん距離感はよくなるでしょうね。距離感がよくなれば、いままでやろうとしていた、獲られてから切り換える(トランジション)ことがすぐできて、みんなのストレスが減りますし、獲ったときにショートカウンターでいける。うん。すべてに於いていい。たぶん。厳密には、やらないとわからないけど」

最後尾でディフェンスをしてから最前線に出ていくことによるフォワードのパワーロストを大久保は気にしていた。
「毎回、毎回、遠い距離を走って、そこから攻撃に行こうというのは無理ですよね」

プレスをかけてボールを奪う。そこまではこれまでの東京もやってきたことだが、獲ってからのボールの扱いは安間流。大久保はそこに可能性を見出している。
「負けつづけていたときにはチャレンジがなかった。今回は自分たちからアクションして、別に圧倒はしなくていいけど、コンパクトに行って、前に進む力をより強くすることが大事かな」

力点の変化。ポイントは前になる。大久保はそこで力を活かさなくてはならない。

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