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“勝負師”安間貴義、監督として5年ぶりの小瀬へ。かつての敗戦の記憶を塗り替えるのは、青赤の戦士たち【レポート】

取材に応じる安間貴義監督。

激しさを増した紅白戦。11日の小平。

先週のピッチ上ではこんな様子も。この例にかぎらず、いろいろな選手と話し合っている。

風間八宏、大木武とともに「日本三大偏った監督」と揶揄されることもある世間の評に、安間貴義は釈然としない苦笑いだ。
「あのなかに含まれるのかぁ。ぼくは王道に近いつもりなんですけどね」

たしかに現状、安間監督がFC東京で実践している戦い方はむしろ穏当なポゼッションサッカーに近く、極端なハイラインを設定して大量得点大量失点を繰り返すような性質のものではない。しかし仮にもカターレ富山で3-3-3-1を実践した男の口から出る言葉ではないだろうという気もする。

もともと外部の感覚とはものの見方が一致しないことが多い。
富山で大木監督が率いていた頃の京都サンガF.C.から2勝を挙げ、大木キラー的な扱いをされても「いや、内容的にはやられていたんですけどねぇ――」と訝しんでいたが、それは現在の東京でも変わらない。ゴールシーン一歩手前まで攻撃ができている、手応えがあると思っても、世の中の反応は鈍い。

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評判と関係なく、どん底から立て直してきた3トップである大久保嘉人、前田遼一、永井謙佑に向ける信頼は厚い。だがここに来てユ インスが直近のJ3第26節vs.ブラウブリッツ秋田で貴重な決勝ゴールを挙げ、誰を起用すればよいのかと、安間監督にとってはうれしい悲鳴を上げざるをえない状態だ。近頃のFC東京U-23はかなりコンセプトをトップチームとすり合わせていて、同じ尺度での評価が可能になっている。J3で残した結果、FC東京U-23での活躍を無視するわけにはいかないのだ。

10月11日の紅白戦では、インスを含む3トップをレギュラー組と競わせた。先週末にJ1の公式戦がなかったことで、試合の感覚を味あわせなければならないとの目的で、午前と午後にそれぞれ45分間、フルコートでのゲームを実施したものだが、一週間つづけてきたフィニッシュに関する練習の成果を確かめるとともに、ポジション争いの要素を持ち込んだ。
崩しからシュートまで一連のダイナミックな決定機をつくり制する作業に関しては「リトリートされた相手にもぐり込んでいくことをずっとやっていました」と表現。単独でシュートまで持っていくタイプがピーター ウタカだけであるため、シュートポイントにいかにしてボールを入れるかが重要になってくるが、その手順が見えてきた。
そしてポジション争いについてはこう語った。
「きょうの紅白戦もそうですけど、ピリピリとした集中した雰囲気でできている。彼らが週末にどんなパフォーマンスをしてくれるのかがぼくは楽しみ。どんどん変化していくいまのチームがおもしろい。あの状況から3試合、

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