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光った小林幹の分析と美技。攻略に必要なスピードアップを成し遂げたユース勢の力【レポート】

雨中の応援。

味の素スタジアムの電光掲示板にFC東京U-18所属選手が映し出される。

3-4-3でボールを保持するところはトップチームと同じ。相手ゴールに近づけないところもトップチームと同じだった。
J3第27節vs.ガイナーレ鳥取戦終了後、FC東京U-23を率いる中村忠監督の総括は、攻撃面の反省を多く含んでいた。
「前半、非常に丁寧にボールを動かすことはできたのですが、やはりまだ突破の部分でタイミング、あるいは技術のミスがあり、獲られ方が悪いと何回かカウンターでピンチを招いていたので、その辺りを修正しようと後半に臨みました。後半、何回かコンビネーションからいいチャンスをつくることができ、それがあの1点につながったことはよかったと思います」

相手のプレッシャーが厳しい前半は長身の原大智がボールを収めようとしても孤立して保持しきれず、起点となれないことが多かった。いい攻撃が頻発したのは後半45分間。前半からできなかったことに、相手の状態が関係あるかを訊ねると、中村監督はこう答えた。
「特に突破のところに関しては、やはり相手があってのことなので、相手がタイトに来ていた前半は原(大智)にボールが入ってもサポートの距離感がうまく合わない部分があったんですけど、後半、多少相手も脚が止まってきて、私たちはパスが入ったときにサポートをつづけて連動性が出てきた。ずっとボールを持っていないときの動きに取り組んでいるので、じょじょにその成果が見えてきたかなという感じです」

印象に残るプレーは後半29分の得点場面と、40分に品田愛斗が左奥に送ったフィードをリッピ ヴェローゾが戻したところそのボールを小川諒也がクロスでゴール前中央を狙った場面、そしてその直後の41分に品田が右へとサイドチェンジしてジャキットがドリブルで運んでから折り返すように浮き球を上げ、左でこれを受けたリッピがシュートをサイドネットに当てた場面だ。いずれもトップチームの安間貴義監督が得点を挙げる手段としてめざす、3人以上が関与した崩しに近いコンビネーションとなっていた。

殊勲の決勝ゴールをマークしたリッピ自身が「U-18の小林幹選手からのいいパスを落ち着いて決めることができた。いいシーンだった」と振り返るように、

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