Dio-maga(ディオマガ)

【トピックス】2021年の運用開始を目指して。第2回新スタジアム推進事業体設立検討委員会

1月11日にモンテディオの新スタジアム建設を目指す新スタジアム推進事業体設立検討委員会の第2回委員会が開かれ、委員会後に寒河江浩二委員長(山形県経営者協会会長)とモンテディオ山形の横内崇取締役が囲み取材に応じた。

今回の委員会では、資本金5,000万円を目標に2月中に株式会社を設立させることが正式決定。株式会社の基本事項を決める発起人会を立ち上げて、委員会のメンバーがそのまま新スタジアム推進事業体発起人会へと移行した。代表も変わらず寒河江氏が務めることになる。

今後は2月に株式会社を設立後、新スタジアムの建築物の概要や事業モデルなどを盛り込んだ基本計画を今年春までに策定する予定となっている。その後、自治体を中心に建設資金を集めながら建設場所などの詳細を煮詰め、建設の目処が建ち次第、正式に新スタジアム建設へと移っていくことになるだろう。

基本計画のスタジアム概要だが、寒河江氏は「民営なので収支は大事にしなければいけない。ラグビーや音楽イベントなども開催できる多目的なスタジアム。地方創生、多目的、モンテディオ、この3つの大きな柱をベースに考えていきたい」と話し、多機能に加えて、ラグビーの試合も開催できるサッカー・ラグビーの兼用球技場を建設する事を示唆していた。

高橋節前社長を中心に作成し、15年12月にモンテディオ山形が発表した「スタジアム整備検討に基づく構想書」では、スタジアムの用途について、サッカー専用とサッカー・ラグビー兼用の両面で検討した上で「近くで観戦できるダイナミックな臨場感、芝生のメンテナンスの難しさ等を鑑み、当検討委員会としては、サッカー専用スタジアムを整備するべきである」と、サッカー専用のスタジアム整備を推奨していたが、基本計画ではここからは修正される可能性が高くなっている。

サッカー専用かサッカー・ラグビー兼用かは、おそらく春先に発表される基本計画で明らかになるだろう。しかし、山形県内で大きな盛り上がりをみせていないラグビー競技がどこまで収益を産めるかは不透明だ。プロフィットセンターとしての事業モデルも基本計画に盛り込まれるはずなので、注目したい部分だ。

寒河江氏は新スタジアムの運用開始時期について「2021年のシーズン開幕に間に合わせたい」と話し、新会社としてのスタジアム運用開始目標をおよそ4年後となる2021年と定めたことも明らかにしている。新スタジアムに関わる話題において具体的な期間目標が定められたのは初めてで、新スタジアム建設に向けては大きな前進とも言える。

現時点では、株式会社の設立から春先の基本計画策定まではスムーズに事が進んでいく可能性が高い。しかし、一番大きな課題として、具体的な場所の選定や建設資金集めという段階が残っている。
この課題をクリアして初めてスタジアム建設の目処が立ったと言えるだろう。

(文・写真 嶋守生)

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ